2016年のG1で決勝戦のカードとなった後藤vsケニー。お互い1勝を上げており、勝ち点2同士、そして現在のNEVER王者とIWGPヘビー級王者の激突だ。
まず後藤をロープに押し込みクリーンブレイクで余裕を見せるケニー。腕を取ってから、後藤の頭を叩いてからかっていく。だが、後藤はショルダータックルでケニーをふっ飛ばし、ケニーもビッグブーツと次第に攻防が激しくなっていく。そして、後藤が牛殺しを仕掛ければ、ケニーは片翼の天使、さらに後藤がGTRと、それぞれの必殺技の体勢に次々と入るが、お互いそれを阻止していく。
そんな中、ケニーがフランケンシュタイナーを決めると、たまらず後藤は場外へ。ケニーは会場の手拍子に乗ってだいぶしようとするが、後藤もエプロンに戻って阻止。ならばとエルボーで叩き落としたケニーはスライディングキック。そして鉄柵の外にまで落ちてしまった後藤にスワンダイブ式で場外ダイブを試みようとする。
だが、後藤はケニーがロープに上がった瞬間に場外からイスを投げつけてこれを阻止。場内がブーイングに包まれる中、ニヤリと笑った後藤はエプロンサイドにいたケニーを捕まえて、断崖式の裏GTRという荒技を見せた。
ここから両者、客席に雪崩込んで乱闘へ。北側のひな壇での攻防の中、ケニーは後藤をベンチの硬い板の上にボディスラム。そして、悶絶する後藤が立ち上がってくると、客席内の仕切りの鉄柵の上から、ムーンサルトアタックを炸裂させた。
リングに戻るとケニーは逆水平チョップを連発。そしてコタロー・クラッシャーを食らわせてから、後藤の背中にハンマーパンチを落としていく。さらに逆水平チョップで後藤を攻め立てるケニー。倒れた後藤をエルボースタンプで滅多打ちにし、チンロック、フェイスロックで固めていく。さらにこれを外すと、肋骨のあたりに蹴り。後藤は反撃の糸口が掴めない。
勢いに乗るケニーはカミカゼからムーンサルトを炸裂させる。しかし、猛攻を食らっていた後藤もここでようやくブレーンバスターで反撃。特攻ラリアットを食らわせると、村正からのバックドロップを炸裂させる。そしてファイヤマンズキャリーでケニーを持ち上げた後藤。これはエプロンに逃げられるが、ケニーがスワンダイブでロープに上がったところをキャッチ。再びファイヤマンズキャリーで抱え上げ、牛殺しを炸裂させた。
一方のケニーもスリーパーで反撃。後藤のジャーマンを一回転して着地すると、ショートレンジのVトリガーを顔面に叩き込む。そして後藤をコーナーに上げる。後藤が踏ん張ると、思いっきり助走をつけて下から突き上げるようにVトリガー! これで脱力した後藤に対して雪崩式の蒼い衝動を仕掛けるケニー。しかし、後藤も息を吹き返して踏ん張る。そして頭突きでケニーを黙らせ、雪崩式の回天!
これをケニーがキックアウトすると後藤は印を結んでからキック。しかし、ケニーはこれをキャッチしてエルボーで反撃。後藤もエルボーを打ち返してきて、両者エルボー合戦となった。そんな中、ケニーは高速のドラゴンスープレックス。しかし、後藤もすぐに立ち上がって、ケニーにカウンターのラリアットだ。
そして裏GTRを決めた後藤。今度は正調のGTRの体勢に入る。しかし、ケニーはこれを阻止してブレーンバスターへ。ならばと後藤はこれを昇天へと切り返してみせる。そして、ケニーがキックアウトすると、今度こそはとGTRへ。だが、ケニーも回転エビ固めに切り返して決めさせない。
両者足元をふらつかせながら、エルボー、張り手を打ち合う。ここでケニーのフロントキックをキャッチした後藤はエルボーを連打して攻め込む。だが、ケニーはすぐさまVトリガーでお返し。後藤も頭突きで返してくるが、ケニーはまたもVトリガーを炸裂させて、反撃を遮断。蒼い衝動で後藤をマットに叩きつける。なんとか返した後藤がロープにもたれかかると、すぐさまVトリガーで追撃し、最後は片翼の天使を決めて3カウント! ケニーが後藤との激闘を制し、2連勝を飾った。
ケニー「オーマイガー! 今日、俺がもしベストコンディションじゃないというのなら、何がベストなのか教えてほしいぐらいだ。それぐらいいいコンディションだったよ。ゴトー、オマエも今日は日本人の魂を見せてくれたな。それこそ、俺がプロレスを始めた時に恋い焦がれたものだ。18年前のことだ。俺はそれを感じた時に、自分が生きてるということが分かった。だから、今日はそれを見せてもらえてよかった。ただ、オマエはNEVER無差別級のチャンピオンで、IWGPヘビー級のレベルにまでは追い着いていないはずだった。でも今日は、そこに少しは近づいているゴトーを見ることができたと思う。
この体を見てくれ、今日はすっかりやられてしまった。どこも傷だらけだ。ベルトを取り落としてしまうぐらい力が入らない時もあったが、それだけ今日の試合がハードだったということだ。それだけ重たいIWGPヘビー級のベルトだが、もっと重たいものがあるとすれば、チャンピオンとしての責任感だろう。俺は誇りと栄光を背負って、この新日本プロレスのプロレスラーとして闘い抜く。ヒールなのかベビーフェースなのか、今はそんなことはどうでもいい。俺は俺、ケニー・オメガだ。俺こそが世界最強、地球最強、惑星最強のプロレスラーなんだ。そしてプロレスラーの枠を超えて、ラリー・バード、タイガー・ウッズ、マイケル・ジョーダンらと同じレベルなんだよ。
次はタマ・トンガとの試合が待っているが、俺はそんなところでは止まらない。去年、ファイナルで勝てなかった内藤、2年前に勝ったゴトー、彼らともまたいい試合をしたいと思っているし、これからも勝ち上がっていくつもりだ。ただ、タマ・トンガにひと言、いいたいことがある。オマエのBULLET CLUBの思想が俺のよりも優れていると感じているのなら、次の試合でそれを証明してみせることだ。次回、コウラクエンホールで会おう。そして、BULLET CLUBのことをハッキリさせようじゃないか。Good Bye and Good Night……ルルルルルルルル(※と、報道陣を撃つ仕草をしながら声を上げる)今日は光線銃だ」
※後藤は辻と上村と肩を借り、ノーコメントのまま控室に戻っていった。