単独トップのケニーを追いかけるためにも星を落としたくない内藤が、曲者・矢野との公式戦で激突する。
先に入場した内藤の待つイングに矢野は珍しく全力でダッシュして入場。スーツを脱いでいる内藤に「早く脱げ!」と文句をつける。それでもダラダラと脱ぐ内藤に「だったら着るぞ!」と一度脱いたTシャツを再び着てしまったのだった。
そしてゴング。Tシャツを着たままの矢野はコーナーで謎のステップを踏んでやたらとはやっている。そんな矢野を内藤はのらりくらりで対応。ロックアップも拒否してイラつかせる。そして内藤を襲ったもののかわされて、場外に出た内藤から足を引っ張られて落とされてしまう。内藤がダイブしそうな素振りを見せると慌ててリング下に潜って隠れてしまうなど、行動がいつも以上に不可解だ。
しかし、リングに戻るとすぐに内藤を場外へ追い出し、鉄柵に叩きつけていく。ここで内藤も逆襲。テーピングを持ち出し、フェンスに矢野を縛り付けてしまう。このテーピングがなかなか解けない。その間にもレフェリーのカウントは進行していく。結局矢野はテーピングを解くのを諦め、フェンスごとリングに帰還してカウントアウトを免れたのだった。
そんな矢野を容赦なく襲撃した内藤。この衝撃で矢野の手首のテーピングが解ける。だが、矢野の劣勢は続き、鉄柵にぶつけられる。挙げ句の果てには入場時に持参してくる新作のDVDで頭部を殴打されてしまう。自身のプロデュース作品で攻撃され、さすがの矢野も悶絶だ。
リングに戻るとストンピングを浴びて倒れ込む矢野。その矢野を無理やり立たせた内藤はエルボーを連打。そしてコーナーに振る。しかし、矢野は振り返して、「外すぞ!」と宣言してから反対側のコーナーパッとを外しにかかる。
そしてそのコーナーパットを振りかざした矢野。しかし、レフェリーがこれを阻止。そこを内藤に襲撃され、自身が剥き出しにした金具にぶつけられてしまう。さらにエプロンからの足払い、ドロップキックの連続技を被弾。
一方、勢いに乗る内藤は矢野が立ち上がるのを待ち受け、コーナーパットをフルスイング! しかし、矢野はこれをキックアウトすると、「調子に乗るなバカヤロー!」と叫んで反撃。
矢野はサミングで反撃。延髄斬りを食らったものの、ジャンピングフォアアームをかわして捕まえ、内藤をコーナーの金具に自爆させることに成功する。さらに矢野はもう一度ぶつけてから、戻ってきたところにマンハッタンドロップ。続けてシーソーフリップで叩きつけていく。そして、無双で足を払って丸め込み。さらにベリー・トゥ・ベリーだ。
そしてTシャツを脱いだ矢野。これで内藤の顔を覆い視界を封じてしまう。これを注意したレフェリーもポロシャツで顔を覆った矢野。この隙きに攻め込もうとした矢野だったが、内藤は冷静に対処。マンハッタンドロップで矢野の動きを止めると、急所攻撃も防御。逆に蹴り足を掴んで、急所蹴りからジャックナイフで丸め込む。これは返されたものの、最後はデスティーノでトドメを刺したのだった。
試合後、内藤はコーナーパットで矢野の尻を連打。矢野をリングから追い出すと、バッターボックスに入った構えを見せて、フルスイング。コーナーパットを場外に放り投げ、ニヤリと笑って引き上げていったのだった。
内藤「やはり彼は唯一無二の存在でしょう。非常に個性的だし、なにか期待してしまう部分あるしね。俺がお客様だったら、矢野のリーグ戦、楽しみかな? でも、何回も言ったけどさ、プレーヤー側として見た場合ね、やはり彼のエントリー、疑問を感じるよ。彼みたいな選手が出てて、どこがGRADE-1なの? そういう疑問はあるけど、ま、矢野の世界、存分に堪能しましたよ。ところで皆様、今日の東京スポーツ、読みました? 読んでないかな? 昨日さ、鹿児島の某ファミリーレストランで、『オイ、あれオカダだよ、オカダだよ』って、オカダと間違われてしまったよ(苦笑)。おいおい、こんなことってあるんだね? この悔しさをバネに、俺は今日、鹿児島アリーナ、頑張った……かな? ま、(オカダと間違った)彼に、今日の勝利で、まあ会場にいるかどうかわかんないけどね、今日、鹿児島での勝利でね、『ああ、すいません。あれはオカダじゃなくて、内藤だったんだ』って思い直してくれたらうれしいですね。なんかそんな悔しい出来事が昨日、ありましたよ。ま、というわけで、この『G1 CLIMAX』、まだ続くんでね。明日は皆様、福岡でお会いしましょう。Adios」
--このシリーズ、悔しいことが続いてませんか?
内藤「いやぁ、まさかね、東京スポーツの岡本記者を呼び出しといて、鹿児島のファミリーレストランで、そんな屈辱を受けるとはね、思わなかったよ。今日の東京スポーツ読んで、『オイオイ、これ、ウソじゃないの? 捏造したんじゃないの?』って思ってる方いるかもしれないけど、あれ、事実だからね。俺、言われたからね。『あれ、オカダじゃねえ?』『オカダだよ』『オカダだよね』……いやぁ、非常の悔しい思いをしましたよ。2年連続プロレス大賞MVPだけど、これだけ会場の支持あるけども、まだまだ俺を知らない方はたくさんいるんだなと。ま、なんか、改めてさらに上を内藤哲也、そしてLOS INGOBERNABLES de JAPONは目指さないといけないなと、痛感させられましたよ。ま、悔しかったけど、いい発奮材料になったッスかね。鹿児島の中学生、Gracias」
※矢野はノーコメント