第7試合のBブロック公式戦ではIWGP USヘビー級王者のジュース・ロビンソン(2勝6敗)とNEVER無差別級王者の後藤洋央紀(3勝5敗)が激突。共にシングル王者ながら負け越しが決まり、星取り的には厳しい『G1』となった両雄だが、最終公式戦ではどんなファイトを展開するのか? 後藤の右ヒジにはテーピングが見える。ジュースは入場時、自身の応援ボードを持った少年ファンに、ハットとサングラスをプレゼント。
試合前、ジュースが左手のギブスで攻撃した場合は反則となるアナウンスがなされる。開始のゴングが鳴ると、ジュースは左手のギブスを外し、ケガは問題ないとアピール。
後藤はジュースをロープに押し込むが、ジュースは体勢を入れ替えてクリーンブレイク。次はジュースが後藤を押し込むと、後藤も同じように体勢を入れ替えてクリーンブレイク。
続いて後藤はショルダータックルでダウンを奪い、さらに突進してきたジュースをトップロープ越しに場外に落とそうとする。ジュースはエプロンに踏みとどまりパンチを振るうが、かわした後藤はスリーパーで捕獲。しかし、ジュースは場外に飛び降りるかたちでアームブリーカー。
ジュースはリングに戻ると串刺しラリアット、キャノンボールとたたみかける。さらに後藤の右手をマットに叩きつけてから、右ヒジにエルボーを落とす。そして右ヒジをロックして絞め上げるが、後藤がロープエスケープ。
ジュースはヘッドバットを叩き込み、後藤が雄叫びを上げると、エルボーを連発。続いて逆水平チョップからロープに走るが、後藤はカウンターで左のミドルキック。
後藤は左ミドルを連発し、村正をヒット。そしてバックドロップからフォールに入るが、ジュースはカウント2でキックアウト。ならばと後藤は牛殺しを狙うが、ジュースは切り抜けて逆水平チョップ。さらにリズミカルにナックルパートを叩き込み、左手を振るうも、かわした後藤はロープへ。これをジュースはカウンターのスパインバスター。
ジュースはトップコーナーから豪快なフライングクロスボディ。ジュースはパワーボムで担ぎ上げるも、後藤は脱出。ここからラリアットの相打ちを3度繰り返し、後藤がヒザをつく。だが、ジュースが突進してきたところを、後藤は担ぎ上げて一気に牛殺しへ。
しかし、ジュースもプリンスズスロウンで反撃。ジュースは雄叫びを上げ、パルプフリクションの体勢へ。後藤は切り返し、GTRを狙うが、ジュースはブレーンバスターで持ち上げる。しかし、後藤もこらえてブレーンバスター。だが、ジュースもディフェンス。
ここで後藤は昇天・改を狙うも、ジュースは切り抜け、両者はまたもラリアットの相打ち。後藤はローリングラリアットを放つが、ジュースはダブルハンマーで相手の右手を撃ち落とし、左ナックルを繰り出す。だが、後藤はヘッドバットで迎撃。さらにアゴにヘッドバットを叩き込んでから裏GTR。
ここを勝機と見た後藤はGTRのモーションに入るも、ジュースはパルプフリクションの体勢へ。技の読み合いから、後藤がスリーパー。これを前に投げて切り抜けたジュースは、パルプフリクションを一気に仕掛けるが、後藤が耐え切り、自分のみがマットに背中から着地。
ジュースが起き上がるところに後藤はキックを叩き込むも、ジュースはその蹴り足をつかみ、ついに左ナックルをヒット。そして最後はパルプフリクションを決め、後藤に激勝。ジュース、後藤ともに3勝5敗で公式戦を終えた。
ジュース「今日のリングで戦っていたあの男は、今までどこにいたんだ!? 『G1 CLIMAX28』にここまでずっと出場していたはずのIWGP USヘビー級チャンピオンは、どこに行ってたんだ!? 今日、あのリングで戦っていた、あのジュース・ロビンソンこそが、真の俺なんだ。だからこそ俺は俺であり、俺はライジングスターなんだ。今日、俺がどれだけ強かったか、みんな分からないようだったら、後藤に聞けばいいよ。俺の左のパンチを4発食らって、パルプ・フリクションも食らって、アイツが一番、今日の俺の強さを理解しているはずだ。今日で2ポイントを加え、合計6ポイントで俺の『G1 CLIMAX』は終わった。いい成績とは言えないだろうが、4点で終わるよりはいいんじゃないかな。始まって早いうちに優勝候補からは外れてしまったが、なぜ俺がここまで戦い抜けたかと言えば、来年の『G1 CLIMAX29』に俺の意識が向いているからだ。俺はそのために戦っているんだ。
後藤、申し訳ないが、今日俺に勝てなかったということは、俺のこのUSヘビー級ベルトに挑戦することはできなそうだな。SANADA、オマエも残念ながら挑戦者候補からは外れた。タマ、オマエも候補には挙がっていたが、今は12000人のファン全員がオマエのことを嫌っているから、まぁ仕方ないよな。でももし挑戦したいなら、来ればいい。飯伏、後楽園ホールでの公式戦は、オマエにとっては楽な試合だったかもしれない。まだオマエのレベルには追い着いてないと思う。オマエはまだこれから大きな試合が待っているし、忙しくなるだろうから、US王座なんて興味がないかもしれないな。オマエとメインイベントを飾れるように、俺も頑張るよ。内藤もケニーも、このベルトにはもう興味ないのかな。でも、ザック・セイバーJr、オマエはこのベルトに興味があるんじゃないか? 俺と対戦した時、俺の腕を掲げてベルトが欲しそうな素振りを示していたよな。9月30日、アメリカでオマエとこのベルトを懸けて戦ってやってもいいぞ。石井、オマエはいろんなベルトに挑戦したいのかもしれないが、何であれ挑戦してくるヤツがいるようなら、俺はいくらでも受けて立つ。でも、これから秋・冬にかけて、そしてすべてがうまくいけば、来年の春にかけても忙しい日々が続くだろうから、いつ、その試合が実現するかはお楽しみに」
──これから新日本のリングでスターになるために、何が必要と考えている?
ジュース「俺は、何をすべきかは分かっている。だからそれを実現するために頑張っていくのみだ。俺の“ジュース”という名前はニックネームで、本名はジョー・ロビンソンなんだけど、まだイリノイ州で“ジョー”って名前の小さい子供だった頃から、俺はプロレスラーになりたくて、ここまで辿り着いた。ここまで頑張ってきたし、子供たちに愛されていることも分かったから、悪い言葉、放送禁止用語はあまり使わないで戦っていきたいと思う。新日本プロレスでスターでいるということは、公人になるということなんだから、悪い言葉は使っちゃいけないよね、子供が真似しちゃいけないから。俺は子供たちのお手本になるようなレスラーにならないといけないから、言葉遣いにも気をつけるよ」
後藤「(※インタビュースペースに着くと、座り込んで)打ち砕かれたよ、今年の『G1 CLIMAX』で。這いつくばっても、ただじゃ起き上がらないから。ジュースも同じような境遇だと思うよ。
また明日から、挑戦していくよ。今日の負けも、すべて、明日につながってると思うからね」