メイン（第10試合）はBブロック公式戦として、内藤哲也（5勝2敗）とSANADA（4勝3敗）が注目のシングル初対決。内藤は純白のスーツにマントで入場。そしてポーカーフェイスのまま、ゆっくりとリングイン。SANADAはコーナーにもたれかかり、何やら思案するように目をつぶっている。

 

　開始のゴング、場内は両者へのコールが交錯する。内藤はリング中央まで歩みを進めると、右手をあげてグータッチを要求。SANADAが応じると、内藤はスキをついてコーナーに向けハンマースルーを仕掛けるが、逆にSANADAは投げ返し、串刺し攻撃を狙う。
　それを内藤がかわすと、SANADAはエプロンに着地。そのSANADAを場外に落とした内藤はロープに走り、寝転びポーズを狙うも、SANADAは場外から足をつかんで引きずりおろす。そして自身がリングにあがり、ロープエスケープからエプロンに降り立ち、トップロープを前方回転してリングイン。この華麗な動きに場内は歓声と「SANADA」コール。内藤はニヤリと笑う。
　内藤がリングに戻ると、両者はリストの取り合いへ。SANADAは身軽な動きからフライングメイヤー。しかし、内藤は距離を取ると寝転びポーズ。するとSANADAはそこに低空ドロップキックをヒット。
　SANADAは内藤をコーナーにふろうとするが、内藤は嫌がってエルボー。だが、SANADAは顔面かきむしりからハンマースルー。これを内藤が切り返して串刺し攻撃を狙うが、SANADAはエルボーで迎撃。そしてセカンドロープに上るも、内藤は背中にハンマーパンチ。そして変形のネックブリーカー。
　SANADAが場外に避難すると、内藤は追いかけて首筋にエルボー。そして鉄柵に二度にわたって叩きつけ、花道に連れ出す。ここで両者はエルボー合戦。さらに内藤は変形のネックブリーカーから、花道を疾走して後頭部に低空ドロップキック。
　先にリングに戻った内藤は、SANADAが遅れて上がるとネックブリーカードロップ。そしてSANADAの後頭部を挑発するように蹴りつけていく。起き上がったSANADAがエルボーを連発すると、内藤はツバを顔面に吐きかける。すると、SANADAもツバをお返し。
　表情の変わった内藤は串刺し攻撃を狙うが、かわしたSANADAはハイアングルのバックドロップ。続くロープワークの展開では、SANADAはリープフロッグ二連発からドロップキックをヒット。この一撃で内藤がリングに落ちると、SANADAは豪快なプランチャ。
　SANADAは内藤をリングに戻し、スワンダイブ攻撃を狙う。かわした内藤はマンハッタンドロップからコーナーミサイル。続いてグロリアを仕掛けるも、SANADAは一回転して着地。さらにスワンダイブのミサイルキックを炸裂。
　SANADAは内藤を両肩に担ぎ上げるが、脱出した内藤は延髄斬り。かわしたSANADAはバックを取るも、切り返した内藤はジャーマン。これを一回転して着地したSANADAに対し、内藤はトルネードDDT。
　内藤はSANADAをトップコーナーに設置し、雪崩式フランケンシュタイナーを炸裂。そしてグロリアを決めるが、SANADAはカウント2で跳ね返す。内藤は早くもデスティーノを狙うが、こらえたSANADAはスタンディングのSkull End。そしてブレーンバスターで持ち上げるが、着地した内藤は延髄斬り。そして内藤はランニングのデスティーノを仕掛けるも、空中で捕らえたSANADAは内藤の両足をトップロープに固定し、ネックスクリューを敢行。
　SANADAは内藤の背中にスワンダイブのミサイルキック。そしてタイガースープレックスを決めるが、内藤はカウント2でキックアウト。SANADAはスタンディングのSkull Endで捕らえるも、内藤はSANADAをフライングメイヤーで投げて回避。そして、コーナーにもたれかかったところに、SANADAが突っ込んでくるとキックで迎撃。続いてSANADAの背中にハンマーパンチを落とし、ジャンピングエルボーを狙うが、かわしたSANADAはスタンディングのSkull Endへ。そしてグラウンドに持ち込むも、切り返した内藤はデスティーノ。だが、しのいだSANADAは両肩に担ぎ上げてTKOの体勢へ。これを内藤はカウンターのデスティーノで切り返す。しかし、SANADAはカウント2で跳ね返す。
　内藤はあらためてデスティーノを狙うが、かわしたSANADAは掟破りのデスティーノ。だが、フォールは内藤がカウント3寸前でキックアウト。ならばとSANADAはSkull Endに持ち込む。内藤は腕のフックを外すが、SANADAは逃さずしつこく仕掛けていく。内藤が動かなくなると自ら技を解き、トップコーナーからラウンディング・ボディプレス。しかし、内藤は寸前でかわす。
　両者はほぼ同時に立ち上がると、意地をむき出しにしてエルボーの応酬を展開。SANADAはローリングエルボーを繰り出すも、内藤はカウンターの張り手。そしてロープワークの展開からジャンピングエルボーを炸裂。続いてデスティーノを狙うが、SANADAがこらえると、コーナーに突き飛ばす。
　突進する内藤をSANADAはエルボーで迎撃し、セカンドロープから後方回転しながらスタンディングのSkull Endで内藤を捕獲。それを切り返されると、SANADAは後方回転してバックに回り、ジャパニーズレッグロールクラッチホールドを決めるが、内藤はどうにかキックアウト。
　SANADAはローリングエルボーを決め、内藤に突進する。しかし、内藤は両腕で大きく後方に投げ飛ばし、SANADAは顔面をコーナーに激突。続いて内藤は投げっぱなしジャーマンを決めるが、SANADAはすぐに起き上がり、内藤を首を捕ら、それを軸に後方回転。だが、着地したタイミングで内藤がデスティーノを炸裂。この一撃で3カウントを奪い、内藤が6勝2敗に星を伸ばした。

内藤「数年前までのSANADAだったら、こんなに追い込まれることはなかったでしょう。もっと余裕で決着ついてたでしょう。手強い相手でしたよ。さすが、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバーっすね。まぁ、頻繁に戦うことはないにせよ、また近い将来、戦う時が来るでしょう。その時はさぁ……まぁ今日も余裕はなかったけどね、これ以上に余裕のない戦いになるでしょう。いいんじゃない？　そのSANADAを余裕で倒せるぐらい、同じユニット内だけど、お互い刺激し合って、もっと高いレベルに持っていきたいっすね。その結果、今以上のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが出来上がるでしょう。そして、我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンがさらにプロレスファンの皆様を喜ばせることになるでしょう。まぁ他力本願ではありますが、一応、俺も残ったのかな？　最終日まで残ったのかな？　まぁ自力で何とかなる話ではないけど、おそらく皆様も望んでるでしょう。この夏、いや今年の夏も、最高のクライマックスを、俺が皆様にお届けしますよ。楽しみに、待っててください。ではでは、今年の『G1 CLIMAX』も、残すところあと３大会。次は皆様、日本武道館で、またお会いしましょう。アスタ・ビエルネス！　アディオス！」

 

※SANADAはノーコメント