ダブルメインイベントⅠ(第8試合)は、IWGPインターコンチネンタル王者のクリス・ジェリコが、前王者の内藤哲也を迎撃。世界的大物レスラーであるジェリコは、昨年の1.5後楽園で内藤を襲撃し、6.9大阪城ではインターコンチを奪取。そして11.3大阪でEVILを相手に防衛に成功すると、内藤がベルト奪還を宣言。遺恨を深めてきた両者がついにリマッチを迎える。前日の調印式でのジェリコの要求により、この王座戦は急遽、反則裁定なしのノーDQマッチで行なわれることに。
内藤は猪を彷彿とさせるオーバーマスクと茶色のオーバーコートを着用して入場。ジェリコはいつものようなメイクを施し、トゲが無数についた革ジャンにハット、そしてベルトを腰に巻いて花道を進む。
ジェリコがリングインすると、内藤は場外へ。そしてゴング前に背後からジェリコを急襲。そのまま場外戦に雪崩れ込み、両者は殴り合いを展開。競り勝った内藤はジェリコを鉄柵に叩きつけ、さらにジェリコのマフラーで首を絞め、机に叩きつける。ここで開始のゴング。
内藤はジェリコを花道に連れ出すとパイルドラバーを敢行。そしてストンピングを決め、ジェリコをリングに戻す。内藤はコーナーマットを外し、それをジェリコの頭部に連打。さらにコーナーマットを放り投げると、海野レフェリーに当たってしまう。
内藤は金具ムキ出しのコーナーにジェリコを投げつけようとするが、こらえたジェリコは対角コーナーに内藤を叩きつける。しかし、内藤は串刺し攻撃をキックで迎撃し、ティヘラから拳を突き上げてポーズ。場内は歓声に包まれる。
勢いに乗る内藤は、ロープ際のジェリコをラリアットで場外に排除。そして場外に飛ぶと見せかけ、寝転がると思いきや、トペ・スイシーダの体勢へ。だが、ジェリコは竹刀で迎撃。
ジェリコは竹刀を手にリングに上がると、内藤に乱打。そしてコーナーに上り内藤を挑発するように目を見開いて、場内を煽る。そこから竹刀攻撃を内藤の頭頂部に浴びせていく。
ジェリコは竹刀で内藤にチョーク。さらに竹刀を内藤の首に押し当て、そこ目がけてストンピング。怒りの内藤はエルボー連発。だが、ジェリコは内藤をエプロンに追い出し竹刀攻撃。さらに三角飛びのミサイルキックをヒット。
ジェリコはカメラマンのカメラを奪うと、場外の内藤を撮影。そしてカメラを戻し、内藤にブレーンバスター。さらに鉄柵に挟んでキックを連打。続いて本部席の上でDDTを敢行し、内藤の頭部を突き刺す。ジェリコはゴングを打ち鳴らし勝ち誇るが、場内はブーイングに包まれる。
ジェリコは内藤をリングに戻すとトップコーナーからフライングボディアタック。だが、カウントは2。ジェリコは手を耳にあて場内を煽る。内藤は反撃を狙うが、ジェリコはバックエルボーでダウンを奪い、ライオンサルトを炸裂。
ジェリコは内藤を起き上がらせてバックドロップ。そして「フユキサ~ン!」と叫びながらマッチョポーズを披露。続いてジェリコは内藤の頭部を小突くが、内藤も張り手で反撃。さらにフライングフォアアームを決める。
内藤はバックエルボーから後頭部に低空ドロップキック。さらにコーナーのジェリコの足を持ち、顔面にツバを吐きかけるとニヤリと笑みを浮かべる。そしてジェリコをセカンドロープに固定して変形ネックブリーカー。
続いて内藤はスウィンギングネックブリーカー。そしてジェリコの頭部を蹴りつけていく。内藤はフライングメイヤーからジェリコの顔面を踏みつけ、手を上げてポーズ。さらにツバを吐きかけコーナーミサイルを放つが、ジェリコはその足を捕らえてリング中央でウォールズ・オブ・ジェリコへ。
内藤は脚力で切り抜けるが、ジェリコは延髄斬りをヒット。そしてコードブレイカーを仕掛けるも、こらえた内藤はトルネードDDT。ここから内藤はグロリアを決めるがカウントは2。
続いて内藤は一気にデスティーノを仕掛けるも、こらえたジェリコは再びウォールズ・オブ・ジェリコ。内藤はロープに逃げるが、ジェリコはリング中央に引きずり込んで締め上げていく。すると、内藤はジェリコの竹刀を手にして乱打。ウォールズ・オブ・ジェリコから脱出に成功する。
内藤は竹刀を手に笑みを見せると、それでジェリコの背中に一撃。さらにロープに振って、返ってきたジェリコの土手っ腹にフルスイング。さらに頭部に一撃を加えてから、バッティングフォームのように竹刀で素振りを見せる。だが、狙いすました一撃はジェリコがかわし、コードブレイカーを炸裂、だが、フォールは内藤がカウント2でキックアウト。
ジェリコは竹刀を手にするが、それを投げ捨てるとリング下からイスを大量にリング内へ。そして一脚を手にし内藤の腹部、背中を攻撃。続いてイスの山の上に内藤をパワーボムを決めようとするが、内藤が逆にDDTで叩きつける。そして掟破りのコードブレイカーを炸裂。
内藤は竹刀を手にしセカンドロープに上るが、ジェリコがイスを投げつけて動きを止める。そしてブレーンバスターで担ぎ上げるも、着地した内藤はジャーマンでジェリコをイスの上に叩きつける。さらにランニング式のデスティーノを仕掛けるが、切り抜けたジェリコは股間付近にトラースキック。そしてコードブレイカーを決めるも、内藤はカウント3寸前でキックアウト。
ジェリコはイスを手にするが、それを投げ捨てると本部席のベルトを持ち出す。そしてダッシュして内藤にベルトを激突させようとするが、内藤はかわしてムキ出しのコーナーにジェリコをフラップジャックのように叩きつける。そしてランニング式のデスティーノを決めるも、これはカウント2。
内藤は目を見開くポーズでインターコンチのベルトを見つめてから手に取ると、ジェリコの顔面に叩きつける。そしてデスティーノを決め、死闘に終止符。内藤が約7カ月ぶりにインターコンチ奪還に成功した。
試合後、ジェリコは周囲に八つ当たりをしながら退場。内藤は勝ち名乗りの手を上げた海野レフェリーに襲いかかる。そして拳を突き上げ、ベルトを残したままリングを降りるも、セコンドの海野翔太にベルトを持ってくるよう指示。ベルトを渡される瞬間、内藤は殴りかかると見せかけ、両手で受け取る。だが、海野にツバを吐きかけると、ベルトを無造作に持ち、場内を険しい表情でにらめつけながら退場した。
内藤「さんざんいらないって言っていたベルトなんだけどね。また、このインターコンチネンタル王座から近づいてきてしまった感じかな。まあ、今回のジェリコ戦に関してはあのジェリコからベルトを奪い取るっていう目的はあったにせよ、相変わらずこのベルトは俺のことが好きだね。どれだけ投げられても、どれだけ割られても、破壊されようとも、俺に愛着があるのかな? まあ、今日の試合、最後はこのベルトに助けられたしね。(叩く仕草をしながら)叩き応えがありましたよ(ニヤリ)。まあ、2019年、内藤哲也がかつて必要ないと言ったIWGPインターコンチネンタル王座を、さあ次はどう扱おうかな? 封印しようとして失敗し、破壊しようとしてまた失敗し、では次はなんだと思いますか? まあ、この答えをさ、今言ったところでどうせ皆様、大きく扱ってくれないんでしょ? 結局ダブルメインイベントって言っても、今から始まる試合、この試合がメインイベントだからね。やはり注目度の違いはあるかもしれない。でも、やはりメインイベントを扱うべきだよ。俺は今までもそう主張したでしょ? ビッグマッチのメインイベントはIWGPヘビー級選手権試合であるべきだって。まあ、身をわきまえて、俺は今日はちょっと発言は控えようかな? このベルト、これからどうしていくか? 興味のある方、俺の携帯に電話してよ。番号わかる? まあ、かけたところで俺が出るか出ないか、その答えはもちろん……トランキーロ、あっせんなよ。ではでは、また明日ですかね? お会いしましょう。皆様、もちろん明日も後楽園ホールにお越しくださるんでしょ?(と、言いながら目を開いてマスコミの顔を確認)。しっかり顔を覚えたからね。ではでは、皆さん、アスタマニャーナ! アディオス!」
※ジェリコは頭を氷嚢で冷やしつつ、よろけながら現れると、途中にある物を蹴散らし、イスを投げつけ、置かれていたペットボトルを記者に投げつけてインタビュースペースへ。
ジェリコ「今、何が起こったか、オマエらはしっかり見ていたか? 新日本プロレス、これでいいのか? オマエらはこの大事なタイトルマッチで、相手が持っているベルトで頭に奇襲を仕掛けてそのベルトを奪うなんていう、あまりにも尊敬のカケラもない行為を行った、あの男を称賛するのか? 日本人は他人を尊敬することを重んじるはずなのに、あんな男を見て、どう思うんだ? 内藤は俺にズル賢い奇襲を仕掛けてきて、それをみんな喜んでたな! 6~7カ月経ち、俺はベルトを失った。まぁ、みんなそれを喜んでいるのかもしれないが、これでクリス・ジェリコと新日本プロレスとの時間が終わると思ったら大間違いだ! 俺は2018年、IWGPインターコンチネンタル王座を最も長く保持していた男だ。だからこそ、ここで言わせてもらおう。俺はIWGPヘビー級のベルトに挑戦させてほしいと思っている。東京スポーツも、週刊プロレスも、ゴングも、ニューヨーク・タイムスも、しっかりと記事にしろよ! 『クリス・ジェリコは、IWGPヘビー級のベルトに挑戦し、チャンピオンになる』とな! 分かったか!(※と言い終わると、机をひっくり返し、『オマエのディナーも持っていってやる!』と通訳の弁当を奪って立ち去る)」