ヤングライオン杯でここまで共に勝ち点10を獲得し、トップを走る海野とフレドリックスが直接対決を行なう最後の公式戦。前の試合で勝ち点10だった成田がコナーズに敗れたため、この試合の勝利者が優勝者となる。
まずはロックアップで組み合った両者。共に首投げでグラウンドに持ち込んでいく動作を繰り広げるが、その中でフレドリックスはヘッドロックで海野を捕獲。ならばと海野はフレドリックスをロープに飛ばす。跳ね返ってきたフレドリックスのタックルにも倒れず、逆にショルダータックルをぶちかましてダウンさせてみせた。
そしてフレドリックスの負傷している右肩を攻め立てる海野。さらにコーナーに追い詰めるとストンピング。続けて顔面を踏みつけるとアームブリーカーで追撃だ。そしてグラウンドでフレドリックスの右肩を固めていく海野。
フレドリックスが立ち上がってくるとフライングメイヤーで再び倒して、低空のドロップキックで右肩を狙い撃ちだ。しかし、フレドリックスもチョップで反撃。ならばと海野もチョップ、そしてショルダータックルでお返しだ。
しかし、フレドリックスは海野の攻撃をリープフロッグで避けるとそのまま反転してフライングボディアタック。さらに海野をコーナーに追い詰めビッグブーツを串刺し式で2発連続で見舞うと串刺し式のボディアタック。さらにヒップトスで叩きつけてからエルボードロップを投下する。
続けて打点の高いドロップキックで追撃するフレドリックス。しかし、海野もロープに走ったフレドリックスを追走。そのまま飛びついてグラウンドに持ち込み腕ひしぎ十字固め。フレドリックスがロープエスケープするとミサイルキックで追撃し、再びフレドリックスの右腕に腕ひしぎだ。
ここもなんとかロープエスケープしたフレドリックス。海野はバックを獲ってジャーマンスープレックスホールドを炸裂させる。これはフレドリックスもキックアウト。ならばと海野はトドメのフィッシャーマンズスープレックスへ。
だが、踏ん張るフレドリックス。ならばと海野は張り手をかましてロープに走ろうとする。しかし、フレドリックスはこれを強引に捕まえて自身のほうに引き寄せると、ノーモーションでバックドロップだ。
さらにスパインバスターで叩きつけてからハーフボストンクラブ。ロープに逃げようとする海野の後頭部を踏みつけてこれを阻止すると、さらにリング中央に引きずり戻して高角度で極めていく。身体を大きく折り曲げられた海野もたまらずタップアウト。フレドリックスが勝利を上げ、ヤングライオン杯優勝を飾ったのだった。
柴田「(※トロフィーを手にコメントスペースに入ってきたフレドリックを追ってくる形でやって来て)おめでとう(※と言って握手を交わしてハグ)。(※英語で)お前が優勝だ。(※集まった報道陣に向かって)聞いてあげてください」
フレドリックス「そうだな、これが俺なんだ。このトーナメント(リーグ戦)開始前、始まってからも、たくさんのことを言ってきた。『自分が最強である』とか、『勝つのは俺だ』とか言ってきた。それは自信だったんだけど、ほかのヤツらには傲慢だとかいうふうに映ってたところもあるけど、それが自分のやり方だったんだ。そういった中で自信を築き上げていかなければ、自分自身をこの厳しい中で闘い続けさせることはできなかった。その自信を持って、俺はこの中で生きてきたんだ。これが俺なんだ。俺はアスリートである前に人間だ。しかしアスリートである俺は、自分の役割が回ってきたらバッターボックスでしっかりスイングしてヒットを打つことがやるべきこと。今回、自分はそれができたと思っている。バッターボックスに立ってホームランを打った。これは比喩だけども、プロレス界においては、このトロフィーこそがその証だと思っている。ニュージャパンプロレスにやって来て、初日から自分を信じてくれた人たち、そしてアメリカから離れてしまったけど、その遠く離れた地でもずっと応援してくれたみんなに感謝したいと思っている。もちろんシバタサン、彼の存在なくして、今の自分はあり得ない。このトロフィー、そして俺こそがLA DOJOなんだ。このトロフィーはLA DOJOの誇りとして永遠に存在し続ける。そしてみんなに言っておきたい、俺がここに現れるのは、これが最後ではない。これからもニュージャパンで闘い続ける。俺の旅はまだ始まったばかりだ(※もう1度、柴田から握手を求められてハグする)」
柴田「ヤングライオン杯、やってよかったなという。まあ、私がやってきたこの1年半ですかね。LA DOJOスタートして、彼が優勝して、ヤングライオン杯で優勝して、私のプロレスの一部でもある、こういう結果が出せたことが、まず第一のステップで。うれしいですね。サンキュー、カール(フレドリックス)。サンキュー」
--柴田さんから見て、今回のヤングライオン杯全体を通してどういう印象を持たれましたか?
柴田「まあ、俺はLA DOJOしかそばで見てなかったんですけど、LA DOJO、新日本の道場、闘ってく中で、切磋琢磨できたのかなあってすごく思います」
--LA DOJO所属のフレドリック選手が優勝したことで、柴田さんが教えてきたことが正しかったことを証明できたという思いは?
柴田「それはさっき言いましたね。お互いにいい刺激を受けれたんじゃないかと思います」
成田「柴田さん(※と言ってコメントスペースに入って来ると、フロアに両ヒザを着いて)、お願いします。僕をLA DOJOで、LA DOJOに連れて行ってください。このヤングライオン杯、彼らとやって、僕は柴田さんの下で、プロレスを教わりたい。そう思いました。もっと強くなりたいんです。お願いします(※と言って床に頭をつける)」
柴田「よし、顔上げろ、顔上げろ。立て」
成田「ハイ!(※と言って立ち上がる)」
柴田「一つ言っておくぞ。俺の練習、メチャクチャ厳しいから」
成田「ハイ」
柴田「(※右手を差し出しながら)よし、ついてこい」
成田「(※柴田が差し出した右手を両手で握りしめながら)お願いします!」
柴田「よし! (※フレドリックスを引き寄せて3人並び)みんなでね……。こういう化学反応が起きてね、私もうれしいです。成田……」
成田「ハイ」
柴田「1からプロレスを教えてやる!」
成田「お願いします!」
柴田「よし! (※フレドリックスを握手を交わして)サンキュー。ザッツ、イット! 以上!」
海野「あぁー、負けた…。本当に悔しい。自分の人生において色んな人に負けてきたけど、初めて本気でアイツだけには負けたくないって思わされました。でも、今のままでは絶対あいつから勝てない。お願いします!一から、一から、泥をすすっていつかアイツを必ず倒すから、リベンジするから。オレを、海外遠征につれて行って下さい。今日の負けは絶対に忘れない」