石森からすれば金丸は、12度のシングル対決で11敗1分。2006年8月の初対決以来、14年間、ひとつも勝てない天敵ともいうべき相手。しかもタッグも含めればプロレス人生で2番目に多く対戦しているというから、徹底してつけ狙われているといってもいいだろう。組み合わせのいたずらか、ともにヤングライオン相手の1回戦を勝ち上がったことで13度目の激突となった。
石森が入場ゲートから姿を現したところを背後から急襲した金丸。そのままリングサイドまで引きずってきてストンピングなどで攻撃を仕掛けるも、場外フェンスに飛び乗ってからのレッグドロップを狙ったタイミングを外した石森が反撃へ。金丸を場外フェンスにぶつけたところで試合開始のゴングが打ち鳴らされる。
金丸をリングに押し上げた石森は、ロープを利用したムーブで金丸を翻弄し、素早くコーナーに飛び乗ってボディーシザースドロップで圧殺。ハンドスプリング式のトペ・レベルサを狙った石森だったが、それをキャッチして阻止した金丸は、ロープから帰ってくる石森のヒザを低空ドロップキックで撃ち抜く。これを機に金丸は石森のヒザを徹底して攻撃。
痛めたヒザを踏みつけ、カウンターの低空ドロップキックで再度ヒザを撃ち抜くと、足4の字でギブアップを迫る。苦悶の表情の石森。必死にサードロープに手を伸ばしてブレイクに持ち込んだ。
それでも金丸はストンピング、ニークラッシャー、場外フェンスに石森の足を引っかけて蹴りを叩き込むなど、ヒザ殺しは緩めない。場外で動きが止まった石森を見て、「終わりだろ」とレフェリーにストップするように要求するも試合は続行。カウント9でリングに転がり込んだ石森にストンピングを落とす金丸。ここで「5分経過」のアナウンス。
ロープに振られた動きを利用して、ハンドスプリングから反転してのジャンピングハイキックを決めた石森。自らの左ヒザを叩いて気合を込めると、コーナーを背にした金丸に串刺し式のジャンピング・ダブルニーアタック。さらにリング中央で腰を落とした金丸にPKを放っていくが、それをかわした金丸は丸め込みでカウント3を狙う。足4の字を狙ってきたところを首固めで切り返した石森は、走り込んできた金丸のボディにパンチを叩き込む。
そして、サイファーウタキを狙った石森だが、金丸は滑り下りて回避。石森がロープに走ったのを見て、近くにいた佐藤レフェリーを突き飛ばして石森に激突させようとするも、石森が足を止めて回避。それでも攻撃のタイミング外すことに成功した金丸は、走り込んできた石森をポップアップすると、自ら倒れ込んで石森の急所にヒザを突き立てる。そしてウイスキーを口に含み、石森の顔面に噴射しようとしたが、一瞬早く口を塞いで阻止した石森。暴れる金丸だが石森はふさいだ手を離さない。そのまま押し倒してフォールの体勢に。カウント2で返した金丸だが、口に含んでいたウイスキーを飲んでしまうことに。
それでも突進してくる石森にフロントキックを叩き込み、ブリティッシュフォール(リバースDDT)を決めた金丸。そしてコーナー2段目に上がって飛びついたが、それをキャッチした石森はサイファーウタキを狙う。しかし金丸はエビ固めに切り返していった。
ミスティカ式からのYes Lockを狙った石森だったが、金丸は踏ん張って阻止。いったん技を解いた石森は至近距離からのジャンピングニーそしてサイファーウタキにつないでいく。そのままカバーするもカウント2。すかさずブラディークロスにつないで金丸をマットに沈めた。
石森は通算13戦目で初勝利。準々決勝へコマを進めた。
NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020
- 日時
- 2020年6月24日(水) 開場 19:00開始
- 会場
- 非公開
- 放送
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第1試合 時間無制限1本勝負
「NEW JAPAN CUP 2020」2回戦※石森が「NEW JAPAN CUP 2020」準々決勝戦進出レフェリー|佐藤健太
MATCH REPORT
COMMENT
石森「(※インタビュースペースに着くとヒザをついて座り込み)ヨシ! ヨシ! ヨシ! シングル、8度目の正直! だいぶ年月経っちまったけど、金丸アレルギー、克服! ちょっと、ちょっと、余韻に浸らせてくれ。(※小さく握りこぶしを作り、やがて座り直す)ヨシ! 次は、コレ(※レインメーカー・ポーズ)か? コレ(※敬礼)か? 楽しみじゃねぇかよ! 対ヘビー、面白れぇじゃねぇか! 他のブロックには先越された感じがちょっとするけど、この『NEW JAPAN CUP』で、新日本と世の中をRebornさせねぇとな。オマエらに見せてやるよ。It’s Reborn!」
金丸「(※肩を借りてインタビュースペースの前を通過しながら)オイ、たまたま勝って調子に乗んじゃねぇぞ、この小僧! 石森!」