第4試合は激しい抗争を繰り広げてきた飯伏幸太とジェフ・コブが、ついに一騎打ち。
その遺恨が勃発したのは4.4両国。飯伏がオスプレイとの死闘に敗れ、IWGP世界ヘビー級王座から陥落した試合直後、コブが追い打ちのツアー・オブ・ジ・アイランドを炸裂。3.30後楽園の6人タッグで飯伏のカミゴェにフォール負けを喫したコブが、そのリベンジに向けて強烈なデモンストレーションを敢行した。
その後、シングルマッチが決定すると両者のせめぎ合いは過熱。コブは飯伏のカミゴェを意識したコブゴェを繰り出し、心理面からも揺さぶりをかけた。6.2後楽園では両者は試合後、大乱闘を展開。バックステージでコブが「コブゴェでオマエを破壊してやる! ゴールデンスター、”神”は完璧に終わる!」と鼻息を荒くすれば、飯伏も「「7日……、やってやるよ!」と首切りポーズ。迎えた大一番、炸裂するのはカミゴェか? それともコブゴェか?
入場した両者は気合充分の表情。開始のゴングが鳴ると、互いににらみ合ったのち、コブが挑発。すると飯伏がニーを繰り出すが、コブはかわしてラリアット。飯伏も回避し、ロープワークの攻防からドロップキックをヒット。
続いて飯伏は打撃のコンビネーションを繰り出すが、コブは蹴り足を捕らえるとエルボー。飯伏もエルボーを返し、激しい応酬を繰り広げる。
コブは豪快なタックルで飯伏をなぎ倒すとパンチを連発。さらに強烈なストンピングを叩き込み、たまらず飯伏は場外へ。コブは追いかけるとエルボー、ハンマーパンチ、そして喉元を踏みつける。
コブは場外で飯伏を担ぎ上げ、バックブリーカーの連発から、そのまま鉄柱に腰を打ち付ける。
飯伏がリングに戻ると、コブは背中にヘッドバット。飯伏はパンチを連発するが、コブはハンマーパンチ一発でダウンを奪い、ロープへ。すると飯伏はカウンターのレッグラリアット。そしてその場飛びムーンサルトプレスを狙うが、コブは足をつかんで阻止し、ストンピングをお見舞い。
続いてコブが飯伏を抱え上げ、コーナーに叩きつける。さらにコーナーにハンマースルーを見舞うと、飯伏はその衝撃で転倒。
勢いに乗るコブはストンピング、パンチを連発し、チンロックへ。そして背中にニードロップ、ヘッドバットを食らわす。だが、カバーは飯伏が意地を見せるようにカウント1でキックアウト。
するとコブは飯伏の背中にヒザ、さらにエルボーを叩き込む。続いて飯伏を両足で踏みつけ、全体重を浴びせる。
ここでコブはセコンドのグレート-O-カーンからUNITED EMPIREのタオルを受け取り汗を拭うと、UNITED EMPIREのロゴを見せつけるように、そのタオルをロープにかける。
スキをついて飯伏はダウンした状態でコブを蹴り上げる。怒ったコブはストンピング、さらに強烈なパンチから押さえ込むが、飯伏はカウント1で立ち上がって反撃。だが、ダメージが深く、すぐに足から崩れてしまう。すかさずコブはニーを顔面に叩き込む。
コブはショートレンジラリアットで飯伏をなぎ倒すと、その場飛びムーンサルトプレス。だが、飯伏はヒザで迎撃。コブはうめき声を上げ、飯伏もヒザを押さえて苦悶の表情。
飯伏はコブに突進するが、かわされてしまう。続くコブの串刺し攻撃をかわした飯伏は、打撃のコンビネーションから今度こそその場飛びムーンサルトプレスをお見舞い。だが、カバーはコブがパワーではねのける。
飯伏はハイキックを繰り出すが、かわしたコブはバックドロップ。そしてその場飛びムーンサルトプレスを決めるが、飯伏もカウント2でキックアウト。
コブは早くもツアー・オブ・ジ・アイランドを狙うが、飯伏はロープで踏みとどまり、突進してきたコブを場外に追いやる。そしてプランチャを放つが、コブは空中でキャッチし、パワーボムの体勢に。だが、飯伏は切り抜け、トップロープを使って高さのあるラ・ケブラーダを炸裂。
コブがカウント16でリングに戻ろうとすると、飯伏はスワンダイブ式ジャーマンを狙うが、これはコブが回避。そして、コブはセカンドロープに足をかけ、飯伏をブレーンバスターでぶっこ抜こうとする。
しかし、飯伏は耐えると、ロープから飛びついての雪崩式フランケンシュタイナーを敢行。飯伏は雄叫びを上げ、ボマイェを炸裂。だが、カバーはコブがカウント2でキックアウト。
すると飯伏はカミゴェの体勢に入るも、コブは脇を差して豪快なフロントスープレックスで放り投げる。続いてコブは串刺しエルボーから、ランニング式のバックドロップ。
飯伏はコーナーに座り込んで一旦距離を取るが、コブはその両足をつかみ、上空に放り投げて飯伏をキャッチ。だが、アスレチックプレックスは飯伏が回避。そして飯伏は飛びつくが、コブはキャッチすると一気にF-5000。しかし、カバーは飯伏がカウント3寸前でキックアウト。
ならばとコブはツアー・オブ・ジ・アイランドの体勢に入るが、飯伏は切り抜けてコブの頭部にハイキックをヒット。そしてカミゴェを突き刺すが、コブはなんとかカウント2で跳ね返す。
すると飯伏はニーパットを外し、もう一度カミゴェへ。だが、コブは切り抜けると、コブゴェを繰り出す。飯伏はフランケンシュタイナーで切り返そうと飛びつくが、コブはキャッチ。そして、飯伏を前方に落とすと、コブゴェを炸裂。だが、カバーは飯伏が必死にカウント2でキックアウト。
コブはとどめとばかりに、もう一度ツアー・オブ・ジ・アイランドの体勢に入るが、飯伏は首固めで切り返す。コブが返すと、飯伏はジャンピングニーで飛びつく。コブは空中で捕獲し、放り投げようとするが、飯伏はそのままヒザで押しつぶす。そして、雄叫びを上げてカミゴェを食らわせ、ついに死闘に終止符。飯伏が難敵を退け、勝利を収めた。
試合後、死力を尽くした両者は大の字。セコンドのオーカーンがコブを介抱する。飯伏はフラフラと立ち上がると勝ち名乗り。そして、ヤングライオンの肩を借りて退場するコブを見つめた。
DOMINION 6.6 in OSAKA-JO HALL
- 日時
- 2021年6月7日(月) 17:00開場 18:00開始
- 会場
- 【開催日時変更】大阪・大阪城ホール
- 放送
- 観衆
- 3,045人
-
第4試合 60分1本勝負
スペシャルシングルマッチレフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
COMMENT
飯伏「(※座り込み、ゆっくりした口調で)いやあ……このシリーズを通して、年齢は一緒ですけど、(プロの)キャリアでは劣るジェフ・コブに、いろんなものを学ばせてもらいましたよ。ええ。やはり、キャリアで勝ったようなもの。ウン。またやりたい。でも得るものは得たんで。僕は最初、彼は僕が持っていない、素晴らしいアスリート能力を持ってると、そこだけ、そこだけを言ってきました。
でも、それ以外のもの。やっぱり闘ってきただけあって、気持ちが違うね。気持ちが違います。その闘う姿勢。やはり、基本は、そこだなと。もう1回、もう1回、原点に帰りたいと思いますよ。ハイ。そのうえで、もう1度、倒したい。それぐらいもう1度やりたかったです。お互い万全な状態で、やりましょう。まだまだ、彼も出してないものあるし。僕に何ができるか。彼みたいなタイプに対して、何ができるか。よーく、わかりました。ただ気持ちだけじゃダメだなと。ただ、アスリート能力じゃ、ダメだと。いろいろ、学ぶことがありましたね。
僕、やらないことがあるんで。まだまだやりたいことがたくさんあるんで。これから、まだまだ……。今日はありがとうございました。ただ、次はもっと接戦かなと思います。まだ、余裕があったんじゃないですか。(※立ち上がって)次……タイトルマッチやりましょう。ということは、どちらかベルトを巻いているということ……」
※コブはノーコメント