メインイベント終了後、鷹木はうつ伏せ、棚橋は仰向けでダウンし、まったく動くことができず。だが、鷹木はその状態から右手で小さくガッツポーズを決め、ゆっくりと立ち上がった。
これで鷹木は勝ち名乗りを受け、海野レフェリーが左肩にIWGP世界ヘビー級ベルトをかける。一方、棚橋は辻陽太に支えられ、フラフラになって退場していく。
ここで阿部誠リングアナウンサーが名前をコールすると、鷹木は右手を高々と掲げて咆哮し、マイクアピールを開始。
鷹木「棚橋! …棚橋弘至、アンタやっぱスゲェよ(※大拍手)。さすがはエース。ある意味、本当の勝者はアンタかもな?(※大拍手) これで1勝1敗だ。またやろう(※大拍手)。だからといって、今日、体調不良で欠場した飯伏がダメっていうわけじゃねぇからな(※大拍手)。あいつはあいつなりに、ギリギリまでドクターと相談して、苦渋の決断をした。試合はできなくても、いや、あいつのことだから、今日も会場に来ようとしたんだろうな。俺はその気持ちだけで十分だよ(※大拍手)。これでひとつ心に決めたのは、(※右肩にかけたベルトを平手で3回叩き)飯伏が来るまで! 負けられねぇな、オイ!!(※大拍手から場内を見渡し) オーイ、東京ドーム!!(※大拍手) オーイ!!(※と言ってスタンド席を指さす) ヘヘッ……本音を言えば、ちょっとさびしいな。ヘヘッ…。しかたねぇよ。なぁ? 世間はあいかわずのコロナ禍で、感染予防、ソーシャルディスタンスだ。1番しんどいのは俺たちじゃねぇ。お客さんだろ(※大拍手)。だけど、なあ? 正直、一都三県、緊急事態宣言中だ。そんな中! 夏休みの日曜日。いいんだぜ、みんな? 家でオリンピック見てたって。だけど! みんなは今日、プロレスを選んでくれた!(※大拍手) そのことは心から感謝する(※大拍手の中、4方向の客席にお辞儀)。俺もよ、今年39(歳)になるオッサンだけどよ、オイ? 俺たちの世代が、まだまだプロレスを引っ張っていかなきゃいけねぇだろ!(※大拍手) よし。ということで、これからも、このIWGP世界ヘビー級王座を通行手形に、新日本プロレスの…いや! プロレス界の…いやいやいやいや! いまは東京オリンピック中だ。世界中の! テッペン目指して、龍の如く、駆け登っていくぞーー!!(※大拍手の中、右手を高々と掲げる)」
ここで鷹木の入場テーマ曲が鳴り響き、大音量の花火が打ち上げられる。ところが、突然その音楽が止まり、場内が真っ暗闇に包まれる。そして、大型ビジョンにEVILとディック東郷が登場し、ビデオメッセージで鷹木へ宣戦布告した。
■EVIL&東郷のビデオメッセージ
EVIL「オイ、誰が勝ったんだ、この野郎!? オイ、東郷? どっちが勝ったと思う?
東郷「…(※無言で人差し指を振る)」
EVIL「オメェらのどっちが勝ってもよ、関係ねぇんだよ、この野郎」
東郷「オイ! どいつもこいつもベルトの価値、下げやがってよ」
EVIL「オイ、いいか? 次は、この俺だ。よく覚えとけ」
そのまま場内にEVILの入場テーマが流れるも、すぐにストップ。そして、場内が明転すると、なんとリング上にEVILが登場。それにまったく気づいていない鷹木へ後ろから襲いかかり、EVILでKOしてしまった。
すると、東郷がIWGP世界ヘビー級ベルトをEVILの肩にかけて拍手を送る。そして、EVILが右手でベルトを掲げて鷹木の顔を踏みつけると、東郷も同じように鷹木の顔を踏みにじった。
ここでEVILは不敵な笑みを浮かべてベルトを一瞥し、無造作に放り捨ててしまう。そして、東郷を引き連れ、ふてぶてしい態度で退場。
一方、鷹木は上村たちの肩を借り、苦悶の表情を浮かべて花道を下がった。