オープニングマッチはヤングライオンの藤田晃生が高橋ヒロムにチャレンジ。今シリーズ、並み居る先輩と対戦するチャンスを得ている藤田。実力と人気を誇るヒロムを相手に、どこまで食らいつくことができるか？

　藤田はダッシュしてリングイン。ヒロムも「盛り上がっていこうぜ～！」と叫ぶと、花道を疾走してリングへ。

　開始のゴング、ロックアップで組み合うと、ヒロムはロープに押し込む。藤田は体勢を入れ替える。だが、ヒロムも入れ替えて逆水平チョップを繰り出す。
　これをかわした藤田はヘッドロックで捕獲。ヒロムはハンマースルーを仕掛けるが、藤田はショルダータックルでダウンを奪う。
　だが、ヒロムはすばやくヘッドロックで捕らえるとニヤリ。そしてグラウンドに持ち込むが、藤田はヘッドシザーズで返す。
　ヒロムは切り抜けると逆エビ固めへ。藤田はすばやくロープに手をかける。
　続いてヒロムは逆水平チョップを連発。そして藤田を引きずり起こし、胸板に張り手と逆水平チョップを乱打。藤田もやり返すが、ヒロムは逆水平チョップ一発でダウンを奪う。
　ヒロムのカバーは藤田がカウント1でキックアウト。すると、ヒロムはさらに胸板に打撃を重ねる。そして藤田にコーナーを背負わせて逆水平チョップ。
　藤田も必死にやり返すが、ヒロムの一撃に悶絶。それでも藤田は立ち上がり、胸板に張り手を連発。しかし、ヒロムは一発でなぎ倒してカバーへ。藤田が返すと、何度も押さえ込んでスタミナを削っていく。
　ヒロムは「がんばれ！　立て！」と叫び、打撃を乱打。藤田は必死にやり返すが、最後はヒロムが競り勝つ。しかし、ヒロムも自身の胸板を押さえる素振りを見せる。
　続いてヒロムは逆エビ固めを狙うも、藤田はディフェンス。そして左右のエルボーを叩き込み、ドロップキックを繰り出す。これはヒロムに読まれてしまったが、藤田は意地のドロップキックをヒット。
　藤田は串刺しエルボーからショルダータックル。そしてカバーするが、ヒロムはカウント2でキックアウト。ならばと藤田はボディスラムで叩きつけ、逆エビ固めを狙うも、ヒロムは蹴り上げて回避。
　ヒロムは「立て！」と叫び、藤田に逆水平チョップ。藤田が倒れるたび、ヒロムは引きずり起こして逆水平チョップを浴びせる。
　藤田は逆水平チョップをかわして首固めへ。だが、ヒロムはカウント2で返し、逆水平チョップでなぎ倒す。そして逆エビ固めを決めると、藤田はロープに逃れようとする。だが、ヒロムはリング中央に引きずり込み、締め上げると藤田はギブアップ。ヒロムが貫禄勝ちを収めた。

　試合後、ヒロムは手のひらのテーピングに書かれた「藤田」の文字をTVカメラに披露する。　

　
ヒロム「思い出したよ。オレだって思い出す、（※上着は剥いで、赤く腫れあがった右胸を見せる）この痛み。あの2人も、忘れることのない痛みを覚えただろ。思い出せ。何かあったときに思い出せ。今はまだわかんないかもしれないけどさ、一番近くに素晴らしいライバルがいるんだ。大岩、藤田、そして中島（佑斗）、お前らの10年後に、期待してるよ」
　

　
ヒロム「それから、明日の山形、実質上の、このオレ、ヒロムちゃんの復帰戦だ。忘れたなんて言わない。オレは、この大胸筋断裂を負って、次の山形大会（2.20）出れなかったんだ。山形のお客さん、覚えてるでしょ？」
　

　
ヒロム「オイオイオイ、これはもう明日は『G1 CLIMAX』じゃない。“ヒロムちゃん復帰大感謝祭（in）山形”……でございます」
　
　

　
藤田「（※腰を押さえながら引き揚げてきて）チョップひとつとっても、この威力の差と、技術の差があって……ああ、クソッ！ 昨日の大岩（と）の試合でヒロムさんが、試合中にも『頑張れ』と。それを聞いてて悔しかったです。自分にも言われてるような気がして……。そんなこと言う余裕があるぐらい追い込むことができてなくて。だから、自分がもっとやらないといけないと思ったんですよ」
　

　
藤田「まだまだです。もっともっと練習して強くなります。今日のことは一生忘れません。ありがとうございました！」