試合後、鷹木はマットを叩いて悔しさをあらわにする。オカダは4代目IWGPヘビーのベルトを肩にニヤリと笑みを浮かべる。すると、ここで場内が暗転。そしてビジョンにオスプレイが映し出される。
■オスプレイのビデオメッセージ
「みんな寂しかったかな? 会いたかったぜ、ようやく日本に帰ってこれたぜ! じつにいい気分だ! 最高だ! シンゴとオカダはどうだい? 1月5日、二人の仕上がりは万全か? 1月4日にシンゴとオカダは戦うわけだ。あの“暫定王座”のために。そして“真の王者”である俺と戦うために。
俺はケガを克服し、世界各地で戦い続け、強豪相手に勝ち続けてきた。フォール負けもタップアウトもしてないぜ! 俺は常にこのエンブレムを意識してきた。ファンにとってこれはただのロゴだろうな。かわいいライオンちゃんマーク。だが、俺にとって
これは“預言書”だ。この50年間、新日本プロレスはずっとこのライオンを探し続けてきた。そして、そのライオンはここにいるこの俺だ! 俺はついに『WRESTLE KINGDOM』のメインに立つ。シンゴだろうが、オカダだろうが、どうでもいい。俺を止めるヤツなんていない。これは俺の運命だ! 二人はせいぜい、がんばってくれよ。世界中の誰もが知る、IWGP世界ヘビー級王者はただ一人。その名前はウィル・オスプレイだ」
映像が終わると、鷹木は不機嫌な表情でコーナーを叩く。ここでオカダがマイクを握る。
■オカダのマイクアピール
「鷹木さん、いまの映像、観ましたよね? オスプレイ、強豪相手に戦ってきたらしいですけど、俺ら以上の強豪なんていないでしょ(場内拍手)。俺ら以外なんて、甘ちゃんでしょ。俺と鷹木さん、強豪二人、IWGP世界ヘビー級チャンピオンと! 『G1 CLIMAX』覇者の戦いを! 1月4日、しっかりと日本中に、世界中に届けてやりましょうよ!(場内拍手)。
すばらしい戦いを1月4日、お届けします。そして! 1月5日に進んで、オスプレイと戦うのはこの俺です!(場内拍手)。一つだけ、言わしてもらうと、鷹木さん、あなたの背中じゃ、新日本プロレス50周年、背負えないんすよ(場内拍手)。そんな一年活躍しただけの選手には、新日本プロレス50年、背負えないし、俺はこの先、50年も背負って、新日本プロレス100周年まで進んでいきたいと思います!(場内拍手)。というわけで、あとはIWGP世界ヘビー級チャンピオン、鷹木さんにしゃべってもらいます!」
オカダはエプロンに下がり、鷹木を一瞥してから場外に下りる。ここで鷹木がマイクを握り、オカダを呼び止める。
■鷹木のマイクアピール
「ちょっと待てよ。いまさら! 能書きはいらねえ。1.4東京ドーム! 本気のオカダで来い。強いオカダ・カズチカで来い! 俺はそれを、ただただ叩き潰してやる(場内拍手)。もう一つ、東京ドーム! カネの雨は降らんぞ。降るのは、オマエの大粒の涙だ!(場内拍手)。まったくもう、オスプレイのせいで、ヘンな空気になっちまったじゃねえか、コノヤロー!(場内拍手)。
まあでも、今年最後の締めは、俺しかいねえよな!(場内拍手)。今年はいろいろあった。世間も新日本プロレスも。そんな中! 最後までたくさんの応援、心から感謝します(場内拍手)。俺自身も、いろいろあったよ。6月にこのタイトル奪取して、いや、奪取したが、8月には俺自身がコロナウィルスに感染。まさかの復帰戦がタイトルマッチ。ほんと、いろいろあったが、なんとか! この一年、このベルトを守ることができたぞ(場内拍手)。
もう一つ、大事なことがあったな! 『東京スポーツ』2021、MVPもいただきました(場内拍手)。アレ? 拍手が少ねえな(場内大きな拍手)。どうも、どうも、盛大な拍手をどうも(場内拍手)。だが、そんな俺に対して、オスプレイもオカダも暫定王者扱いだよ。本当に頭に来るよな、アイツら。あの二人はまとめて潰さなきゃ気がすまねえんだよ!(場内拍手)。
1月4日は年をまたぐかもしれねえが、俺にとっては今年の集大成を見せてやる! 1.4、1.5を勝ち抜いて、偽物と4代目のベルトは置いといて、このベルトを! 抱えてやるぜ(場内拍手)。
ということで、ということで! 1.4、1.5に向けて、ランペイジ・ドラゴン! 暴れ龍のごとく、駆け上がっていくぞー!(場内拍手)」
そして雪が降り注ぐ中、鷹木はベルトを抱え上げ、ドームでの必勝をアピールした。