第4試合は5.3福岡でNJPW WORLD認定TV王座を懸けて激突する王者ザック・セイバーJr.と挑戦者ジェフ・コブが、それぞれ藤田晃生、グレート-O-カーンをパートナーに前哨タッグ対決。
ザックはベルトを腰に入場。オーカーンはブリティッシュヘビーのベルトを携え花道を進む。ゴング前、藤田がオーカーンの胸を突き飛ばす。しかし、オーカーンは眼中にないとばかりに無視。それでも藤田が突っかかると、オーカーンはベルトを掲げ不敵な笑みを見せる。
先発は藤田とオーカーン。まずはレスリングの攻防から、オーカーンが足を取って押さえ込む。しかし、藤田は跳ね返し、一旦距離を取る。
続いてオーカーンがヘッドロックで捕獲。さらにショルダータックルで藤田をねじ伏せ、踏みつけてカバー。
藤田がカウント1ではね返すと、オーカーンはストンピングからロープに走るも、藤田はアームホイップ。そしてドロップキックから、巧みな動きでオーカーンの足首を捕らえる。これはオーカーンがロープエスケープ。
スイッチしたザックは、オーカーンの左足首をひねり、レッグブリーカーをお見舞い。スイッチした藤田も同じような動きを見せる。ザックも加わり、TMDKは二人がかりでオーカーンの足首を攻めていく。
続いて藤田はオーカーンに強烈な逆水平チョップ。しかし、オーカーンは串刺し攻撃を切り抜けると、カーフキラーで捕獲。藤田は何とかロープに逃れる。
するとオーカーンは藤田を持ち上げ、お尻ペンペン攻撃からコーナーに叩きつける。そしてモンゴリアンチョップを見舞い、会場を煽ってから玉座を完成。
次はコブが登場。藤田はエルボーを繰り出すも、コブは仁王立ち。そして藤田をブレーンバスターで抱え上げてランニングし、そのまま無造作に放り投げると、ザックをマッスルポージングで挑発。
さらにコブは藤田を両足で踏みつけてクラウンズアップポーズ。続く串刺し攻撃をかわした藤田は、エルボーを連発し、ボディスラムを狙う。
これはコブがこらえるも、藤田はカウンターのドロップキックで反撃。スイッチしたザックはコブに串刺しエルボー。そしてフロントキックからカニバサミを狙うが、切り抜けたコブはショルダータックル。さらにその場飛びムーンサルトプレス。
これをかわしたザックは、ネックツイストをお見舞い。そしてザックドライバーを狙うが、コブはこらえる。するとザックは相手の左腕を捕らえ、そこ目掛けてオーバーヘッドキック。
続くザックのジャーマン狙いは、コブが回避。するとザックは飛びついて三角締め。コブは力尽くで持ち上げ、アスレチックプレックスを狙う。しかし、ザックは切り抜け、スリーパーで捕獲。
コブが力で振りほどくと、ザックはエルボーを連発。しかし、コブは豪快なドロップキックで吹っ飛ばす。
スイッチしたオーカーンは、ザックに王統流二段蹴り。だが、ザックは切り抜けてドラゴンスクリュー。
次は藤田がオーカーンにエルボーを連発。そして逆水平チョップから串刺しエルボーを見舞い、ボディスラムを狙う。
オーカーンは切り抜けてバックを取るも、藤田は膝十字固め。オーカーンも切り返そうとするが、藤田はアキレス腱固めで捕獲。ザックもコブを足関節で捕らえてアシスト。しかし、オーカーンはロープに逃れる。
ならばと藤田はオーカーンにフロントスープレックスを狙う。回避したオーカーンは、藤田にアイアンクローの体勢からスープレックス。ここでコブがショルダータックルでザックを排除。
リング上、藤田はオーカーンを後方回転エビ固めで丸め込む。しかし、オーカーンは跳ね返すと、さらに藤田の低空ドロップキックをよけ、エルボードロップを投下。そして一本背負いから大空スバル式羊殺しで捕獲すると、藤田は逃れることができず。UNITED EMPIREに凱歌が上がった。
試合後、オーカーンは藤田を踏みつける。するとザックが救出。コブはザックのベルトを指差して奪取をアピール。そしてオーカーンはマイクを握り、TMDKを挑発すると、「これがブリティッシュヘビー級チャンピオンのグレート-O-カーン、次期NJPW WORLD認定TVチャンピオンのジェフ・コブ、UNITED EMPIREの力だ!」と勝ち誇った。
コブ「ザクリー、ムカつくな!あぁ、俺たちはかなり大昔に試合をしたことがある。まだ軽かった時。ザクリー、オマエがその話をしたいなら構わない。だが数日後、フクオカの『どんたく』で、ついにオマエと俺の王座をかけた1対1の対決が始まれば、この増えた体重がオマエを潰す。ザクリー、トーファーキー(※七面鳥の丸焼きに見た目と味を似せた豆腐の加工食品)はオマエを救ってはくれないぞ。大豆に豆腐……ノーノーノーノーノー!野菜やフルーツもオマエを救ってはくれない。俺のことも救いはしない。
ノーノーノーノーノー。俺はオマエと真っ向勝負して、全てを食らいつくし王座を奪う。だからザクリー、オマエは世界最高の技巧派レスラーかもしれないが、世界で一番パワーのある俺にとって、それは何の意味もない。ザクリー、頼むぜ、俺に卍固めをかけてみてくれ。抜け出してやる。ニーバーだってな。アームバーをかけられたら、オマエを掴んで頭から落としてやる。ザクリー、あと4日くらいか?どうやって俺を倒すか、よく考えろ。俺は4日かけて、どうやって祝うかを考えておくさ」
オーカーン「TMDK、潰すぞ、オイ!無駄にあるユニット、一つずつ潰すぞ、オイ! それも余なりの革命だ。新世代で世代交代?パラダイムシフト?テメェらはそれだけを狙っとけ。こちとらな、連合帝国!一個のユニットを率いてるんだよ。それだけのテメェらとはな、格が、レベルが…いや違う、次元が違えんだよ、この野郎!
たくさんあるユニットを崩壊させて、連合帝国にまとめて、さらに連合帝国をデカくして、そこまでやらなきゃ革命じゃねえだろ?テメェらが焦って燻ってんのはよ~く分かるよ。それでもな、まだまだ足りねえもんがたくさんあるよ。だいたい3人っていうのもな、キリが悪いよな。古の昭和、平成の3人ってのはな、悪いよな、縁起が。もう二人ぐらい欲しいよな。
そう言えば、まだ成田と海野と近くに世代が二人いなかったか、確か?名前は……The Legionにいる辻と、もう一人は忘れちまったがな。まぁいいや。そうこうしているうちに、(※肩にかけているブリティッシュヘビー級王座のベルトを叩いて)余はブリティッシュのヘビー級のチャンピオンベルトを持ってんだ。帝国をドンドンデカくしてくよ」
ザック「LITTLE TEKKERS、それがオマエ(藤田)の新しいニックネームだ。LITTLE TEKKERS。スゴイネ。みんな強かった。アマチュアレスリングの基礎が身についている。だから、この子も有利なスタートを切っているんだ。アマチュアレスリングは、プロレスの基礎としてはとても良い。だが、それを上回るのが何か分かるか?TEKKERSだ。100%ピュアなキャッチレスリングの技巧。それがTMDKの、TMDKの俺たちのやり方だ。練習したいのは、カーフ・クラッシャー?」
藤田「はい」
ザック「(※日本語で)ジブンデ、ミギアシ」
藤田「あ、はい」
ザック「ユー・ジャスト……(※日本語で)ヒダリ、ヒダリダケ。ヒダリト、ヒダリ。モット、スゴイ。(※英語に戻して)とにかく、あの乱暴な怒れる日本人に食らいついたんだ。もうすぐ、あと少しで、誰かを落とせる。オーカーンについて言えば、あいつの手元にあるオモチャの話だ。俺が前に持っていたブリティッシュ・ヘビー級王座だな。いつも言っているだろう。リトル・フジはヤングライオンじゃない。彼はTMDKのメンバーであり、ニュージャパンの未来だ。そして俺が彼に王座を獲らせる。あのベルトかもしれない。タブンネ」
藤田「はい」
ザック「(※日本語で)ブリティッシュ・セカイヘビーキュー」
藤田「はい」
ザック「OK。今はやるべきことに集中だ。(※日本語で)モウスコシ、ベンキョウ」
藤田「はい、お願いします」
ザック「あのチョップ。フーッ!」
藤田「ああ、はい」
ザック「(※日本語で)オナジチームデ、ヨカッタ」
藤田「(※嬉しそうに)おお」
ザック「イタソー。チョップだけだ。(※首への打撃技のジェスチャーをしながら)こっちはまだまだ。チョップカンペキ。ただ……カウンター」
藤田「はい」
ザック「(※日本語で)チョット、ミンナ、シブイネ。モット、カウンター」
藤田「はい」
ザック「大きな勝利だ。全てはTEKKERS。関節技が上達し、押さえ込みも上達し、バチバチ……バチバチもいい。バチバチを磨いていこう。(※炎を表すジェスチャーをしながら)それがファイアーだ。オオオ。ファイアーが分かるか?チョット、チョットアツイ」
藤田「はい」
ザック「勝ったから、メチャメチャ、アツイ。凄く熱い。いいね。オマエの王座挑戦に関して、考えを思いついた。そしてジェフリー。聞け。当初の想定よりは厳しい試合になるかもしれない。かなり大昔、今より20キロぐらい軽いジェフ・コブと試合をしたことがある。あいつは酷いユニットにいたからな。だがジェフ、俺は18年のキャリアの中でずっと、スーパーヘビー級をぶちのめしてきた。俺はいつもかませ犬、小型のレスラーだったが、最高の技巧派レスラーだ。歴史としてだけじゃなく、今、進行形で世界最高の技巧派レスラーだ。だからジェフ、オマエは全ての体重をかけて挑んでこい(※と言って、先に控室へ)」
藤田「TMDKに入って、ザックさんの防衛戦も近づいてきて、毎度毎度獲られるのは自分。本当に腹が立つし納得がいってない。でも、それも今の自分の力なのかもしれない。ただ、ただ、何回も言ってるけど、俺は1回や2回負けたぐらいで諦めないぞ。しぶといし、バカだから折れない、諦めない。必ずこの借りを返してやるよ」
──福岡で他のヤングライオンが闘いますよね、ザック選手への挑戦権をかけて。そこに藤田選手自身が入ってないことは自分ではどう思っていますか?
藤田「入っていない……もちろん、今の自分の環境は他のヤングライオンと同じじゃないことは分かってて、レベルも同じじゃないと思っています。その結果……生意気なことを言えば、その結果なんじゃないかなと考えてます。ありがとうございました」