第2試合はマイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト&藤田晃生vsマーク・デイビス&カイル・フレッチャー&グレート-O-カーン。4.29鹿児島でニコルス&ヘイストはオージー・オープン(デイビス&フレッチャー)のIWGPタッグに挑戦。惜敗を喫したニコルス&ヘイストとしては、最終戦で一矢報いたいところだ。
第1試合後の乱闘のあと、毘沙門が退場すると、TMDKが入場し第2試合が開始。
先発は藤田とオーカーン。藤田はエルボーを連発するが、オーカーンはエルボー一発で吹っ飛ばす。
それでも藤田はエルボーを返し、さらに強烈な逆水平チョップ。そしてバックを取るが、切り抜けたオーカーンは一本背負い。
続いてオーカーンはチンロックから、肘を藤田の頭部に押し当て痛めつける。オーカーンはストンピングを連発してから、フレッチャーにスイッチ。
フレッチャーは藤田をブレーンバスターで持ち上げ、そのままデイビスにパス。そして、フレッチャーが藤田をマットに叩きつける。
さらにオージー・オープンはサンドイッチラリアットを狙うが、藤田は回避。そしてニコルスに交代。
ニコルスはオージー・オープンを二人まとめてラリアットでなぎ倒す。さらに交互に串刺しラリアットを決めてから、フレッチャーをDDTで突き刺す。
続くニコルス&ヘイストのダブル攻撃をフレッチャーが切り抜けると、すかさずデイビスがニコルスをラリアットで場外に排除。そしてヘイストに対し、オージー・オープンが連携攻撃を狙う。
これはニコルスが妨害。そして、ニコルス&ヘイストがデイビスに合体のバックドロップを狙う。だが、デイビスは切り抜け、ニコルスをショートレンジラリアットでなぎ倒す。
その後、4人は打撃の応酬に突入。目まぐるしい攻防を繰り広げ、揃ってリングでダウン状態に。
次は藤田とオーカーンのマッチアップ。藤田はエルボーからドロップキック。そしてジャーマンを狙うも、こらえたオーカーンはモンゴリアンチョップを連発。
三発目は藤田がディフェンス。そしてヘッドバットをオーカーンに叩き込み、チョップから一気にジャーマンスープレックスホールドを炸裂。これはオージー・オープンがカットに入る。
すると藤田は気合いを入れ、オーカーンに逆エビ固めを狙う。オーカーンは下からのモンゴリアンチョップで切り抜けるが、藤田はスキをついてレッグクラッチホールド。
これを返したオーカーンは、藤田をアイアンクローで捕らえ、そのまま後方にスープレックス。カバーを藤田がカウント2ではね返すと、オーカーンは大空スバル式羊殺し・ルーナで捕獲。藤田は逃れることができず、無念のギブアップ。UNITED EMPIREに凱歌が上がった。
試合後、オーカーンはマイクを握る。
■オーカーンのマイクアピール
「ひれ伏せ、福岡の愚民ども!(場内拍手&歓声)。毘沙門もHOUSE OF TORTUREも、TMDKも、そんな無駄なチーム、丸ごと崩壊させてやる!(場内拍手&歓声)。
TMDK、残り一人。連合帝国、ジェフ・コブが、TV王座をここで支配してやる! よく見とけ!(場内拍手&歓声)。
いいか、これがブリティッシュヘビー級チャンピオンのグレート-O-カーン、IWGPタッグチャンピオンのカイル・フレッチャー、マーク・デイビス。そう、UNITED EMPIREの力だ!」
そして、UNITED EMPIREはベルトを携え、花道を堂々と下がった。
フレッチャー「フクオカ! ツアー最後の大会。でっかい大会だった。“W”(WIN=勝利)の文字を書こう!(※と言って、宙に大きく“W”を描く)UNITED EMPIRE、オージー・オープン! 新日本プロレス史上初、2つのタッグベルト保持者だ! さて、今夜を締めくくる前、さらに今夜の甘い勝利を勝ち取る前に、俺たちはいくつかビジネスを整理する必要があった。HOUSE OF TOUTUREにビシャモン、おまえたちは前に出て、自分たちのマイクをやりたかっただろうが、お前たちはチャンピオンじゃないんだ!」
デイビス「バカめ!」
フレッチャー「HOUSE OF TORTUREはIWGPチャンピオンになるためにベルトを盗んだ。とんでもなくバカげてる!」
デイビス「そうだ、そんなことするなよ」
フレッチャー「多くのレスラーがこの2つの王座を分けて考えているという事実は、両方の王座に俺たちがどれだけ多くのものを費やしてきたかを証明している。オージー・オープンがいかにホットな存在であるかを証明しているんだ!俺たちが世界で一番であることを示しているんだ。俺たちを超えることは不可能だ。
ビシャモン、HOUSE OF TORURE、地獄の3WAYタッグチームマッチが始まったとき、おまえたちは学ぶことになる。どうして3WAYタッグマッチをやりたいのかと聞くかもしれない。俺たちが有利にやりたいわけじゃなく、現実的な方法なだけだ。俺たちはただ、なぜ俺たちが最高であるかを証明したいだけだ。何度でも叩きのめしてやる。なぜなら俺たちはオージー・オープン、世界で最高のタッグチームであり、世界を回しているからだ! このツアーに感謝する」
デイビス「フー、フー(※と息荒く去っていく)」
オーカーン「(※オージー・オープンと入れ替わりで)今宵、もし髙橋ヒロムがSANADAに勝つことができたら、余は減量して、体重100kg以下にしてやるよ。ま、それでもヘビー級をうたうけどな。別にいんだ、高橋ヒロムが勝ったって。ここは実力の世界だ。勝ったもん勝ちだ。勝ったもんが正しい。だが、小さいヤツらに夢を与えるのも、確かに必要ことだ。じゃけんどもな、その結果、体重70kg、60kg、身長170cm、160kg(cm)の、そんな一般人とな~んも変わりゃせん、そんなレスラーが増えるんだろうなと考えたら、無理して身体を作る必要なんかねぇだろ? 柔道もボクシングも、アマチュアレスリングも総合(格闘技)も、階級がた~くさん分かれてる。何のためか? まぁただ、いい意味でも悪い意味でも、小さいヤツがデカいヤツを食うってのは、あるかもしれないが……だけれどもだ!
身長は生まれ持ったもだ。是非もなし。だけどよ、体重なんか、メシ食ってトレーニングすりゃ、100kgなんかなれんだろ。石井見てみろ。ジェフ・コブだってオリンピック出た時(2004年、アテネ五輪)は80何kg級(84kg級)だぞ。体重だけじゃねぇよ。今のレスラーは、豪快に食わない。豪快に酒を飲まない。豪快に女を……女遊びしない。豪快にカネを使わない。そのへんのYouTuberの方がよっぽど、プロレスラーらしいことしてるじゃねぇか。
余はプロレスが嫌いなんだけどよ、身長も体重も、キャラクターも生きざまも、一般人とな~んも変わらなくなっちまったら、憧れなんかねぇよ。だから余は、いつまでたってもプロレスを好きになれねぇんだ。プロレスラーで唯一、プロレスラーを体現してんのは余だ。それでもだ、もうプロレスラーであることが、バカらしく感じちまうよ……」
ニコルス「ウァー!」
ヘイスト「アァ―! 1000ドル返せよ。全部を赤にしたんだ!」
ニコルス「黒だ」
ヘイスト「赤だーッ!」
ニコルス「勝とうが負けようが引き分けだろうが関係ない。毎回毎回、俺たちは一歩前を行き、前進し続けている。俺たちは今夜の試合で起きたことすべてを取り入れる。今夜のこの男を見たか? こいつが何をしたか見たか?」
ヘイスト「ああ、すごかった!」
ニコルス「俺のようにブリッジ愛好家だ! この男はとんでもないブリッジをした!」
ヘイスト「(※藤田を中央に連れてきて)この男を見ろよ。この体を、このマインドを、このイケメン顔を! それに毎回試合をするたびにテクニックが上達している! ブリッジ、ブリッジ! マイキーが誇りにしているぞ!」
ニコルス「思い描いている試合ができた時にできることだ! (※カメラに向かって)お前よりずっといい!」
ヘイスト「(※パンチを繰り出しながら)チックタック、ギャオー! (※藤田に向かって)言ってやれ」
ニコルス「(※藤田に向かって)教えてやれ」
藤田「……」
ヘイスト「……(藤田に)ちょっと時間をやってくれ」
ニコルス「毎回、良くなっているぞ。これが今のお前だ。6カ月ですごいことになっている」
ヘイスト「20年後はさらすごいことになってるぞ。言ってやれ、言ってやれ、フジ!(※と藤田の肩を揉む)」
藤田「(UNITED)EMPIRE、BULLET CLUBとか、そんなんじゃない。誰が相手でも今、俺は全力を尽くして、ぶっ倒れる気で、潰れる気で、相手を倒しにいって。でもこのシリーズ、1勝もできなかった。だがな、足踏みしてるわけじゃねぇぞ。前に進んで、上に上ってる。このまま俺は止まらずに、上に上がり続ける」
ヘイスト「と、これが(藤田が)言ったことだ。(藤田は)TMDKだから、The Mighty Don’t Kneelsだから強いぞ。よくやった、ブラザー」
ニコルス「さぁ行こう」
ヘイスト「あぁ、ビールを飲もう!」