NJPW 40th anniversary Tour. レッスルキングダムⅥ in 東京ドーム
- 日時
- 2012年1月4日(水) 15:30開場 17:00開始
- 会場
- 東京・東京ドーム
- 観衆
- 43,000人
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第10試合 30分1本勝負
GENIUS FACES GENIUSレフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
序盤はジックリしたグラウンドの攻防となり、両者互いに譲らず。そこから武藤がショルダータックルを繰り出すと、内藤はすぐにドロップキックでお返し。
さらに内藤は、フラッシングエルボーをかわし、低空ドロップキックを見舞う。そこから場外戦になるが、武藤がドラゴンスクリューで逆襲。続いて内藤の脚を鉄柵に固定してドラゴンスクリューを敢行し、膝への低空ドロップキックで追い討ち。
先にリングへ戻った武藤は、ロープ越しのドラゴンスクリュー、低空ドロップキック、ドラゴンスクリュー、足4の字固めなどで膝攻撃を続行。内藤を追い詰める。
苦しい内藤は、エルボー連打からジャンピングエルボーアタックを狙う。しかし、武藤が膝にドロップキックをヒットさせ、再びドラゴンスクリューから足4の字固め。これはガッチリ極まっていたものの、内藤は辛うじてロープへ逃れた。
追い込まれた内藤は、張り手、バックスピンキック、延髄斬りを矢継ぎ早に繰り出して反撃。さらに、ランニングサンセットフリップ、ミサイルキック、ジャンピングエルボーアタック、雪崩式フランケンシュタイナー、延髄斬り、ジャーマンスープレックスホールド、エボルシオンと一気に畳み掛ける。そして、スターダストプレスで勝負をかけるものの、武藤がかわしてシャイニングウィザードで逆襲。
続いて武藤は、コーナーでもシャイニングウィザードを見舞い、ドラゴンスクリュー2連発、後頭部へのシャイニングウィザードで追撃。絶体絶命の内藤は、飛びつき前方回転エビ固めで反撃。これを返されると、シャイニングウィザードをブロックし、後方回転エビ固めを繰り出す。
さらに内藤は追撃を狙うが、武藤がシャイニングウィザードで逆転。そして、LOVEポーズから改めてシャイニングウィザードをヒットさせてフォールに行くが、内藤はキックアウト。
すると武藤は、コーナー最上段からムーンサルトプレスを炸裂させ、内藤を仕留めた。
試合後、「HOLD OUT」が鳴り響く中、内藤は武藤が差し出した手を跳ね除け、悔しさをあらわにしながら退場した。
COMMENT
──お疲れ様でした。
武藤「疲れた、本当に」
──武藤選手、改めてリングの上で闘った内藤哲也選手の印象はいかがでした?
武藤「いやぁ、やっぱりですね、この試合が決まってからですね、あいつが試合前に言っていたことは本当のことでさ。やっぱり長年やっていて故障もあったりとか、こういう東京ドームの試合自体も、知っているからね、どれだけ厳しいかという。昔、若い頃はメインをやっても緊張感もなく、ポンポンポンポンとできたんだけど、だんだんだんだん試合が近づくに連れて、しんどいなとかさ考える時間が多くなったのは事実でね、今日もどうなることやら悩みましたよ。で、そんなこと言いながらさ、なんか新日本プロレスのテーマ曲とかさ、あんなの過去の武藤敬司ばっか、そこがまた俺にムキにさせるというか。そんな所で止まってないのにさ。そういうところが全体にムカついたというか、それがバネになったというか、そういうところですね」
──1月4日の東京ドームの新日本のリングで言うと2年ぶりになりますかね?
武藤「いやぁ、俺、過去のことを覚えてられねえからな。いつかわからねえけど」
──感慨と言いますか、ファンの声援を受けて思い出すモノはありましたか?
武藤「いやぁ、そんなにまあ普通だったッスね。まあ、意外と半分外様なのに暖かく迎え入れてくれているような気がしたですね。やっぱそういうのは自分のエネルギーというか、バネにはなりましたね」
──天才vs天才と言われた内藤選手との対戦ですが、内藤選手に関して未来はお感じなられましたか?
武藤「まだね、まだまだのびしろがいっぱいあるわけであってさ、いっぱい精進して。あとなんか俺のことを好いてプロレスラーになったとか正直嬉しいですよ。レスラー冥利に尽きるというのはあるけど、彼にはもっと成長してもらって、また内藤に憧れてプロレスを目指す若い奴が増えてくれたらなんとなく闘いがいがあったというか。そういうところですね」
──内藤選手から天才という部分は感じられた?
武藤「俺、天才って、勉強とか漢字とかわからねえ……天才という括りがどこまでなのかイマイチ俺の中で理解できないという。あと、入場する時とか天才っていっぱいいるって言ったけど、モニターに流れていた通りで、何をもって天才というかわからないからな。それはそう感じなかったッスね。彼も努力の人であって、組み合って練習してんなっていうのは感じましたよ。力もあったしね、思った以上にね。試合やる前はヘビー級より力ねえんじゃねえかとかこき落としたけど、改めて闘ってそういう部分は訂正しますよ。力強かったですよ」
──逆に自分のコピーと闘っているという印象は?
武藤 「コピーという感じはしなかったですね。コピーって言ったら、あいつは止まっ
ちゃうぞ。だから、最後にエールを送るつもりで握手しようとしたら、ムカついたん
だろうな。拒否されたからな。まあ、いいじゃないかよ、ああいうのも」
内藤「ちょっと声が出なくなっちゃったけど。俺に求められてるのは善戦でもなんでもなくて勝利のみ。時計の針を逆に戻してしまった。言葉が出てこないよ、もう」
——内藤選手、改めてリングの上で向き合った今の武藤選手の印象は?
内藤「やっぱ昔よりウェイトアップしているぶん威圧感はすごかったですね。ただ、最初のレスリングでは負けてなかったでしょ。幻想だよ、幻想。武藤がすごいのは幻想だよ。でも、それを幻想だって証明できなかったことは」
——最後に武藤選手に握手を求められて拒否したのも内藤選手なりの何かが。
内藤「なんの握手かわかんないよ。握手した途端にドラゴンスクリューきたかもしれないし。あそこで握手するようなレスラーに俺はなりたくないから。負けちゃったけど、最後まで俺の意志は貫いたかなと」
——最後まで意志を貫く闘いというところで2012年をスタートしたと思いますが、今年一年、この先どんなふうに考えてますか?
内藤「今日負けることなんて考えてなかったから、わかんないけど。でも、一ヵ月ぶりのリング、すげえ楽しかった。プロレス、新日本プロレス、すげえ楽しい。早くまたこのリングで試合をしたいなと思いました」
——リング上でも時折、楽しまれているような姿が印象的でした。
内藤「そうですね。もちろん根底にあるのは闘い。ただ、俺が楽しまなきゃ、お客さんも楽しくないでしょ。俺はそういうプロレスを観て、憧れて、プロレスラーになろうと思ったから。やっぱり俺は、リングでそういうプロレスを見せて、小さい子に『内藤みたいなレスラーになりたい』『内藤を観て僕はプロレスラーを目指すようになりました』って、10年後、20年後、言われるようなレスラーになりたいなと思いました」
——2012年の目標は?
内藤「武藤ができた、棚橋もできた、29歳でのIWGPヘビー級ベルト。武藤にもできて棚橋にもできたなら俺にもできる。必ず、あと半年くらいで30になっちゃうけど、20代のうちに必ずベルトを巻きたいと思います。そして、また来年、東京ドームのこの長い花道を楽しみながら歩きたいなと思います」