第6試合は棚橋弘至&ジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレー&田口隆祐組vsケニー・オメガ&マット・ジャクソン&ニック・ジャクソン&マーティー・スカル。タグチジャパンが今大会に特別参戦の外国人カルテットと激突を果たす。棚橋とケニーは1.4ドームのIWGPヘビー級王座戦の前哨戦となる。
ゴング前、棚橋とケニーは至近距離でにらみあい。タグチジャパンは「絶対勝つぞー!」と気合を入れる。
先発は田口とスカル。スカルが怪鳥のようなステップを見せると、田口はハトのような独特なステップを披露。そして両者は互いの足を持つと、同時に下ろし一旦距離を取る。続いて田口がヒップアタックを繰り出すが、スカルはスルッとかわしてニックとスイッチ。
タグチジャパンはフィンレーが登場するが、ニックはショルダータックル。だが、フィンレーもドロップキック。そしてジュースと共にダブルのフェイスクラッシャー。すかさずマットが入るも、ジュース&フィンレーはダブルのヒップトス。
ここからタグチジャパンはニックにトレイン攻撃。田口はUSAポーズで場内を煽る。そして最後にヒップアタックをヒット。そこからブロックサインを見せ、4人でドロップキックを繰り出すも、これはニックにかわされてしまう。
ニックはフィンレー、田口に連続でボディスラム。ここからTHE ELITEは田口にエルボードロップを順番に放つも、田口はすべてかわす。ここからタグチジャパンは4人それぞれが、THE ELITEの4人をラリアットで場外へ。さらにプランチャを放つも、これはすべてかわされてしまう。
リング上、ケニーがフィンレーにコタロークラッシャー。そしてTHE ELITEはフィンレーに順番にエルボードロップを炸裂。
ヤングバックスはフィンレーにアクロバチックな連携攻撃を炸裂。次はスカルがフィンレーにエルボーアッパー連発。そして左ヒジを固定し、そこめがけてストンピング。
THE ELITEはすばやいタッチワーク。次はケニーがフィンレーにパンチを振るっていく。フィンレーも打撃で応戦するが、ケニーは強烈な逆水平チョップ。だが、続くバックドロップはフィンレーが切り返し、変形のバックブリーカーをお見舞い。
ようやくスイッチした棚橋は、ケニーに低空ドロップキック、ドラゴンスクリューを食らわせ、さらにヤングバックスの同士打ちを誘う。棚橋はスカルにもドラゴンスクリューを狙うが、これはヤングバックスがサンドイッチ式トラースキックで阻止。
ここからTHE ELITEはトレイン攻撃を狙うも、棚橋はうまく誤爆を誘って切り抜け、ケニーにスリングブレイドを仕掛ける。かわしたケニーはバックに回るが、棚橋は切り抜け強烈な張り手。だが、ケニーは高速ドラゴンスープレックス。
次はジュースがTHE ELITE全員にナックルパートを連発。しかし、スカルがジュースの左指を捕らえる。すると田口がヒップアタックで阻止。さらにTHE ELITEに順番にヒップアタックを炸裂。だが、最後のケニーはマンハッタン・ドロップで切り返す。しかし、田口は意地でヒップアタックをヒット。
ここからタグチジャパンはマットにトレイン攻撃。最後はジュースがキャノンボールを食らわせ、高々と持ち上げてフルネルソンバスター。
ここで田口がリングに背を向けるかたちでセカンドロープにのぼる。そして、タグチジャパンは田口の臀部めがけ、THE ELITEをひとりずつハンマースルー。だが、最後のケニーは肩車で田口を捕獲し、そのまま片翼の天使を狙う。
田口が切り抜けるも、ケニーはカウンターのフランケンシュタイナー。そしてVトリガーを狙うが、棚橋がカウンターのスリングブレイド。さらに場外に落ちたケニーにプランチャを炸裂。その棚橋にスカルがトラースキックを決めるも、ジュース&フィンレーがダブルのフラップジャック。ここでヤングバックスが連携のドロップキックでジュース&フィンレーを場外へ。
リング上、THE ELITEは田口に4人でスーパーキック。フォールは棚橋がカットし、ケニーとエルボー合戦。ケニーはカウンターのVトリガーを決めて、棚橋を排除。最後はTHE ELITEが連携からのインディーテイカーで田口にフォール勝ちを収めた。
試合後、ケニーは棚橋の眼前でベルトを誇示。棚橋は悔しげな表情を浮かべて退場した。
ニック「久しぶりにTHE ELITEが揃ったな。去年以上の締め括りだ。あれ、ケニーは? 彼がコメントを残さないっていうのは、それだけ真剣に準備をしてるってことなんだよ。彼はもう、トーキョードームに向けて準備万端のはずだ」
マット「そうだ、その通り。ケニーはトーキョードームを見据えている。全力で闘うんだぜ。そしてトーキョードームへ向けての準備も万端さ。そして、俺たちもね」
スカル「そうだよ。俺たちはわざわざ今日のために日本にやって来たんだ」
マット「その通りさ。俺たちは今回だけじゃない。15年間、闘い続けてるんだ。まあ、今年は家族とバケーションに出掛けたりもしたけど、終わりなき世界ツアーを15年間も続けてきてるんだ。15年もだぞ。まあ、今年はこれで終わりかな」
ニック「今回だって12時間かけて日本に来て……」
マット「ファミリービジネスだから、少なくとも$15,000かかるんだよ」
スカル「大変だね」
ケニー「(※遅れてコメントスペースにやって来て)みんな、『Being The ELITE』の撮影をするよ」
ニック「でも、少しコメントを残しなよ」
ケニー「OK。でもYou Tubeシリーズの『Being The ELITE』を早く撮影しないといけないから。わかってるだろ? まあ、日本のファンのためにコメントを)残しておくよ。まず、ひとつの仕事を終えたってところだ。軽い仕事で終わって良かった。タナとも絡めたし。俺が小さい大会には出ないって言われているようだけど、別にそれはさぼってるわけじゃない。完璧なチャンピオンボディーを作るために、休みをもらっているだけだ。今日だって、パワーとバランス、スピード、攻撃性、そして運動能力をしっかり見せられたはずだ。トーキョードームではさらに仕上げていくから。トーキョードームまでまだ残り2週間なんだぜ。それまでにしっかりと作り上げないといけないから」
マット「えっ、もう2週間しかないのか」
ケニー「そうだよ。タナ、それまでクリスマスを楽しんでおきな。家族と愛犬とね。あと、自分が主演した映画でも見ときな。なぜならトーキョードームが終わればお前は忘れ去られてしまうんだからな。ヤングバックスもクリスマスの予定はあるんだろ?」
マット「ああ。いろいろ考えてるよ」
スカル「俺もな」
ケニー「それは置いといて、1.4が終わったら、みんなでパーティーしようぜ。12月14日、15日もまた来るから。自分も1.4は楽しみにしてる。どんなカードが並ぶかも、まだ楽しみに待ってる段階だけど。では、彼を倒すその日まで。グッバイ&グッナイト、Bang、Bang、Bang、Bang、Bang、Bang、Bang、Bang、Bang、Bang、Bang……」
ジュース「ここでお前にひとつ言いたいことがある。Cody、お前にはその名字があるから次々とチャンスをもらっているわけじゃないだろ? それだけで偉大なプロレスラーというわけじゃない。リングで最高のものを見せてこそプロレスラーなんだ。俺はお前の才能を疑ったことは1度もない。だけど、心には疑問を抱いてる。トロントでの『GLOBAL WARS』のことだ。そしてIWGP US王座のことだ。IWGPと付いているからにはシンニホンプロレスリングのベルトだ。この団体の看板だ。だけどお前は、この団体の看板を背負ってる気構えはあるのか? お前はこの団体の看板を汚した。お前自身の中に、シンニホンプロレスリングの魂はカケラもない。鼻歌でも歌って、漫画のようなものにおとしめた。お前は予定されていた試合を闘わなかった。もしケガをしていたとしても、そのケガをおして闘い抜いてこそ真のチャンピオンというものじゃないのか? タナハシだってそうだ。自分の体がどうであろうと、痛めつけられ、ケガを負っていようとも、お前のようなことは絶対にしない。あのトロントでのことはなんだ? バレッタの挑戦を受けるはずだったのに、そうしなかった。ケガしていたなんて関係ない。ヒザがちょっと痛いぐらいで試合をしなかったじゃないか。歩けないほどだって聞いていたが、俺は見たぞ。メープルリーフガーデン(トロントの伝統的なプロレス会場)の前で、目が飛び出るほど高価なスーツに身を包んで、ブロンドの髪をビチッと決めて、2人のセキュリティーをつけて、美しいワイフと歩いているのを。少し足を引きずってるみたいだったけど、バレッタ相手に試合ができないほどじゃなかったようだった。俺はお前からタイトルを奪うつもりはない。もう、お前と闘うつもりもない。お前はもう、素晴らしいレスラーじゃないからだ。お前ほどじゃなくても、俺のほうがいいレスラーだ。お前はガッツもなければ、心もない。何もない。俺はベルトを手に持ってないけど、いつもこのセクシーなブーツ(リングシューズ)をはき、セクシーなタイツを身に着けて、ドレッドヘアを束ねて闘い続ける。それが俺だ。もしもう1度、ベルトを手にできたら、なにがあってでも毎日、そのベルトを守るために闘い続ける」
フィンレー「フー、今日はちょっと舞い上がっちゃったな。ようやく家に帰れるんでうれしいよ。長くしんどいツアーだった。でも、この日々を経て、自分はさらにいいレスラーになれたし、タッグチームとしてもプロレスラーとしても成長できたと思う。今年のことは忘れて、来年に目を向けよう。来年こそ俺の年、デビッド・フィンレーの年だ。今夜はいい酒でも飲もう。イヤなことは忘れて。来年はいい年にしたいし、今回の終わり方も自分なりに納得している。俺は闘い抜いたし、来年はいいスタートを切りたい。さて、飲みに出かけるよ。じゃあ、またね」
棚橋「あのELITE 4人が揃うと、やっぱり厄介だよね。俺がどんだけ舵を右に切っても、ケニーは左に切る。“船頭多くして船山に登る”って言葉があるけど、ベルト巻いてるヤツが船長だから。(※舵輪を回す仕草をして)やっぱり、いまのこのリング上の流れを、正しい方向に進めて行くには、ケニーを倒すしかないよね」
※田口はノーコメント